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2011年2月

月曜の夜は、ネットでテレビ。

とりあえず、毎週やってますが、
さらにということで、、

月曜2/28ですな、21時〜23時頃までの間に、ここを開いてみると、
http://live.wiwit.jp/official/masakiichimura/index.html

ロッキンローラーな人と、共演放送しておるはずです。
今のところ。
ギターやらウクレレ触って、雑談しながらセッションすると思われます。

「チャットに参加」を押すと、適当に、書き込みが出来るはずです。

プレイミスを減らす方法ざます

「ミスが多い」「よく間違えちゃう」って人!

その理由は、自己判断できるざますか??
ものすごい単純な答えなんざますわよ。


ミスが多い人は、
単音の「ドレミファソラシド」を、弾き慣れていないだけざます。


まぁ、ギターでもウクレレでも、
Cコードとか、AmとかGとか覚えて、
そのうちFも押さえられるようになって、
弾き語りは、割とすぐに出来るようになる。
で、何曲か弾けるようになっていく。
ただし、
Cキーやったり、Gキーやったり、Fキーやったり、
バラバラな順番でやっていく。
で、
上達してくると、インストもやってみる。
Cキーやったり、Gキーやったり、Fキーやったり、、、
なうちに、
ミスする事は、あるざますわね。

今の教則界ってのの、物の教え方って、
単音でメロディーをちゃんと弾く
ってこと、若干、ないがしろにしてる面はあるざます。

そして、そんな単純な練習、多くの人はやりたがらない面もあるざます。
(特にギター弾く男性ってのは、童謡なんて、、、と)
早く上達したい、って思いが、
少し難しいことに向かっていっちゃうざますのねざます。
でも、
本当の早く上達する方法において、
「単音でメロディーだけを弾く」
は、とても重要ざます。

ここを怠ると、
逆に、和音を入れるほうが上手そうに見えるもんだから、
すぐに和音を入れちゃうのね。
特に、フィンガー・ピッキング・スタイルでは。
それって、実は逆に、
メロディーだけを弾くという、我慢が出来ないってことざます。


「ドレミファソラシド」に慣れてないんですのよ、奥様。

ミュージシャンって、ミスしないざましょ?
何故ざます?
「ドレミファソラシド」訓練はしたうえで
それに慣れた左指で、自分で曲作っているからざます。


左指が「ドレミファソラシド」に慣れていれば、
ミスなんて滅多にしなくなるざます。
で、
ただし「ドレミファソラシド」って弾いてれば慣れるってわけじゃありません。
順列組み合わせとして、
「この指の後には、たぶんここを押さえれば正解」という
暗黙パターンの左指が、出来てないのです。

じゃぁ、それって、どうやって克服すればいいの?

簡単ざます。

(どっかのインチキ商法みたいな文面になってきたな、、、まぁいいけど)

童謡を30曲、Cキーのみで毎日1曲、弾けば、その左手には近づくざます。

え?「本当かよ?」って、思ったざます?
じゃぁ、いいざます。
今すぐ、楽器だかえて、Cキーで「大きな栗の木の下で」の
メロディーだけ、一回目で弾いてみてざます。

大抵の人は、ミスるざましょ?

当たり前ざます。
一発で弾ける自信のある人は、試さないざますw
「あぁ、俺は弾けると思うよ」
って人は、ワザワザ、試さなくても自己判断できるざます。
まぁ、極端な論で言えば、ざますけどざます。

あとは、
「なかなか綺麗な音が出ない」
っちゅう人はざます、
1音を綺麗に出す練習してないから、
和音や、楽曲で、綺麗な音が鳴らせないざます。

単音で、ゆっくり、メロディアスに、切なく、
大きな栗の木の下で
を弾く練習してみてざます。
明るい曲をバラードみたいに弾くざます。

1音を綺麗に出せるようになると、
和音でも、長い曲でも、綺麗な音が出せるように近づいていくざます。

 追記:動画を作ったざます
http://www.youtube.com/watch?v=0mxGIVhs0rk
後半が大きな栗の木の下でざます。

===================あ、さて、
amazon

この本の中身について
どこにも書いてない事に気がついたw

この本は、
「童謡とか、クラシックとかの著作権料のかからない曲を
 多少ポップス・アレンジにも近寄らせて料理して弾く練習譜になっており、
 段階方式として、Cキーでドレミが弾けて、
 Cキーでドレミ以外の音を追加していってから、
 他のキーに移行する。
 理論を使わず」
という、
本になっています。

アコギ弾きの人でも、
チョーキングは省く、
ハイ・ポジションは無視、
ちゅう風にすれば、すぐに活用はできて、
逆に、アコギでチョーキング、
ハイ・ポジションに慣れる、という効果もあります。

ウクレレだと、
このカラオケで、この曲を弾くには?
ってのを、自分で勝手にやっちゃえば、
譜面、読まなくてもいいんです。

「譜面、読めないから」じゃなく、
譜面読まずに活用するのがウクレレ式、と。

でもって、例えば、コードだけをCDに合わせて弾いていくだけでも、
世の中のコード進行の面白さが、知らないうちに身に付くという活用法もあります。
「これって、こういう本でしょ」「ギターの本でしょ」
ってだけじゃ、視野は広がらないっちゅう。

===================
CDは、
「まずバック演奏はステレオで入っており、
 右チャンネルにのみリード・ギター入り」
ってことは、

 左チャンネルだけを聴けば、カラオケです。
ステレオのL-Rを、Lのみバランスで聴きながら
自分の楽器音と合わせることができる。

これは、これまでに無かった収録方法です。
(ミックスダウンが大変だった、、)

もちろん、L-Rのバランスは、好きな場所にすれば
「リードギターが小さく聴こえる」
ちゅう風にも聴こえると。
すこしだけお手本を音を聴きながら、弾く、っちゅうね。

まぁ、極端に言えば、
買わなくっても、、、、
(こんなこと書いてていいのか、俺)
買わなくても、
こことかに、カラオケ音源、置いてありますので、
それで、ウクレレ弾きしてみればいい、と。
http://www.rittor-music.co.jp/hp/books/guitar1_data/10317306.html

===================
で、収録した楽曲は、主に↓な曲ですが、

こういう童謡とか、クラシック曲って、
ロックじゃないから、メロディアスなんですよ。
こういうメロディーを単音ですぐに弾ける自分になると、
ミス・プレイは減るんです。

EX-01 Long Long Ago(ド・ドレミ・ミファソーラソミー)
EX-02 Long Long Ago
EX-04 大きな栗の木の下で 
EX-06 きよしこの夜 
EX-07 きよしこの夜 
EX-10アルプス一万尺 
EX-14 故郷 
EX-15 ごんべさんのあかちゃん
EX-16 ごんべさんのあかちゃん  
EX-17 コロブチカ  
EX-18 森へ行きましょう ハーモニックス奏法  
EX-20 セーラーズ・ホーンパイプ  
EX-21「月」「案山子」「メリーさんの羊」 
EX-22 かたつむり
EX-23 こいのぼり
EX-24 月/でたでた月が  
EX-25 かもめのすいへいさん  
EX-26 蛍の光 
EX-31 シャボン玉
EX-32 シャボン玉 コード   
EX-33 一月一日  
EX-34 ウィリアムテル序曲
EX-35 雪(雪やこんこん) 
EX-42 スカボロー・フェア 
EX-43 線路は続くよどこまでも 
EX-44 浜辺の歌 
EX-46 トロイカ 
EX-48 コンドルは飛んでいく
EX-71 かえるのうた
EX-72 かえるのうた
EX-68 浦島太郎カッティング
EX-75 紅葉 
EX-77 メリーさんの羊/アメリカ童謡
EX-99 カノン・バラード


あとは、コード進行ヒント的な部分では、
アルバート・リー「カントリー・ボーイ」
キャロル・キング「イッツ・トゥ・レイト」
エイモス・ギャレット「スリープ・ウォーク」
ピンク・フロイド「クレイジーダイアモンド」
ジョー・ウォルシュ「オーディナリー・アベレージ・ガイ」
レイナード・スキナード「スウィート・ホーム・アラバマ」
などの進行みたいな例題もあります。


もう一回、言いますが、
簡単な普通の「ドレミ、、」メロディーを弾き慣れていれば、
ミスは減るざます。

=====================
え?わたくしざます?
わたくしでございますか?
そういうこと聞くざます?

まぁ、しょうがないから白状するざますけど、

まぁ、
わたくしの場合は、

2回目には絶対に間違えない自信はあるざます。。。
1回目は、、、、

だから、こういう教本アイデアを思いつくん

       ざ・ま・す!


100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本(CD付き)大ヒット中!

思いの他、売れているみたいっす!

で、例えば、
amazon

なのですが、

ゆうべも、このページを見たんですよ。
そしたら、
1,139位だったんですね。
で、それが、一晩で、、、

「全ての」本の中での順位で、604位でごじゃります。
604

(今、見たら、641位だったけども)
これが、どういうこっちゃっか、分かりませんでしょうねぇ、、、
教則本界では、第二位です。
それも、2ヶ月で、、、、ってことは、、、、姉さん、、、事件です。


大ヒット中!!!
ということになりマッスル。

でも、、、、おかしいよなぁ、、、マジかなぁ、、、
何かの間違いじゃないかなぁ、、、とも思えなくもない。。。
だって、俺出荷数、知ってるもん、、。
増版するってことは、やっと2版目を印刷屋が刷るわけで、、、
あっれ〜〜?って気がしないでもないんだけども、、、

まぁ、アマゾン「だけ」の売り上げってことなら、ありえなくもないけど、
それにしても、ウクレレ上達100の裏ワザを、もう超えてるってのは、、
おかしかないか?
とか、思いつつ、、、。

で、実は、すんごいことを2ヶ月間、気がついてなかった!!!

中身の楽曲について、どこにも書いてなかった!!!w
この本の中身はですねぇ、

「みんなの知っている曲ばっかり」

をフレーズにしているのですよ。
その曲名って、よく考えたら、ネット上のどこにも書いてないわ。。。

ちなみに、
リットーミュージックのHP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/books/guitar1_data/10317306.html
では、カラオケとか、模範音声、YOUTUBEリンクも置いてございますよって。

で、明日、このブログも含めて、何カ所かに中身の曲名を羅列表明するざますわ、奥様。


新記録更新!

『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』

増版決定しました!

この↑楽器天国さんっちゅう店での売り上げでもですね、
なんだか売り上げ1位ってのを取ったらしくですね。

12/20発売ですよってに、
2ヶ月で増版ちゅうことですな。

編集部でも予想以上の売れ行きということでございまっする。

これも、ひとえに、
我が輩の努力のみの、、、、、いえ、皆様の、、、、

う〜ん、、、、

買ってくれた人だけの、、、

はははは、

まぁいいや、

皆様のおかげでございまっする。


しかしやねぇ、
これのアコギ版、ウクレレ版を発売するには、
実は、まだ、もう少し売れてくれないと作れません。。。。。。。。。

「私はウクレレ版が発売されるの待っていよう」
などと、不純な、、、、いや、まっとうですけどもw
考えでは、本当は違う。
アコギ版、ウクレレ版では、中身をまったく違うフレーズで書くつもりですよってに。

それでも、
「私はウクレレ版が発売されるの待っていよう」
という人!

まぁいいけどぉ〜〜、
あたり前なんだけども〜〜〜
せめて、
周りでギター弾いている人に、出会ったら、
「あの本、すんごい売れてるんだよ!」
と宣伝しておいてくださいませ。

でも、マジで、これ売れないと、次のアコギ版、ウクレレ版は出せまっしぇん。。。
と、
俺のオマンマの食いぶちが、、、、、

ビートルズが教えてくれた。


近所にステーキ屋さんができまして。
といっても、好きだった回転寿司屋がつぶれて、、、
その跡地がステーキ屋になったんですけども。

で、まぁ、安そうな店で、
ステーキ半額という
クーポン券をプリントして行ってみた。

最近、よくビートルズがBGMになっている店が多いのか、
我が輩が行く店にそういう偶然性があるのか。

これまで、
代官山の美容院、
仙川の寿司屋、
渋谷のはなまるうどん、
があり、
で、今回の甲州街道のステーキ屋。

「なんかサウンドが違うなぁ、、、またオノ・ヨーコ監修の
 録音違いバージョンとか発売したんかねぇ?」
などと思っていたのだが、

で、実はビートルズは、店によって難もある、、、
(曲によりますけども)
それは、ステレオ感ってやつで、
スピーカーセッティングを考えてない店では、
こっちの席からは右チャンネルの音が、
あっちの席では左チャンネルの音が、、

ヴォーカル無し、リンゴのドラムとジョージのギター音だけ
聴こえてくる席に座った人は、インストだと思うのだろうか、、w

===========
とはいえ、
かなり気に入りました。ステーキ屋。

最初はビールを飲んでましたが、
赤ワインに変えて、ステーキ。

それで、ジョージのギター音、、、

やばい。。。

このまま、ワインを追加すると泣いてしまう。。。

===========
ので、1本だけにして、帰宅しましたが。

まぁ、ジョン・レノンってのはさ、
ある種、今も生きていたら、相当な苦悩な人生になってしまうとは思いますね。
で、
逆に言えば、ジョンってのは、そういう苦悩と対面する人生であってこそ、
ジョンであるとも言えるわけで。
60才過ぎて苦悩するジョンも見てみたかった、
あるいは、老衰で亡くなるというジョンも、、、とかあるわけですが、

ポールが、老人になっていく様というのは、
まぁ、我々は見て行くのだろうけども。
もしジョンが生きていたら、ポール・マッカートニーの現代の苦悩は
今よりも増えているかもしれない。という考えもできます。

まぁ、リンゴにいたっては、何も変わらない人ですがw

で、ジョンってのは殺害されたわけで、
それで「ビートルズは神様じゃない」って歌ってた本人が、
神様になってしまったわけです。

で、ジョージです。
彼は、殺害されて亡くなったわけではない。
肺癌で亡くなった。
58才ですよ、、、。

人生ってのの、まぁ、平均寿命なんてのは、
ひとりひとりには当てはまらないですが、
58才、、、ってのは、まぁ、我が輩でも
すぐそこなわけです。

=======
で、世界で、最も優れたポピュラー音楽ってのを完成させてしまった
バンド内で、在籍中に苦悩していたのはジョージ。

楽曲1曲生まれるたびに、自分のギター・パートを作ることが
すごく大変なんですな。
バンドに天才がふたり(ジョン&ポール)も居て、
しかも、ふたり共、ギターが上手で、
「あんな風にも弾けるし、こんな風にも弾け」てしまう天才に
リード・ギターを弾け、って言われるわけです。

そこに、自分スタイルを見つけるのジョージは、すごい時間がかかるんですな。
それは正に「構築」です。
(このあたりは、映画『レット・イット・ビー』でも、
 ジョンの映画『イマジン』のレコーディング風景でも見れます)
『レット・イット・ビー』でポールに何度も「違う!」とか言われるシーンは
切ないものがありますが、
『イマジン』で、
ジョージのギターが全然まとまらない時、
ヨーコがジョンに「一回休憩するべきよ」とか言って、
休憩して飯食って、そいで、じゃぁもう一回、ってなってから
ジョージが弾くプレイがめちゃめちゃ良かったりする。
(この点、ヨーコはやはりジョンには素晴らしい相棒だと認識できる)

=======
まぁ、ビートルズってのは、
個人的に言えば、
クラシックを超えていると思いますね。
賛否両論あってもかまわないですが、
現代ポップスの基礎と発展、
音数の少なさ、音色の組み合わせで、クラシックを超えていると思います。
(もちろん、クラシックには、クラシックの良さがあります)

で、ポップスなんてさぁ、
とっくに、答えが出ちゃってるんですよ。
我が輩が、気がついた時には、すでに
ビートルズは解散しててね。
我が輩が15才くらいで「ロックが好き!」なんて思った頃には、
(すでにポールはウィングスだった時代)
ビートルズによって、完成されてしまっています。

我々ってのは、その後追いをしてるにすぎない。

まぁ、フィンガー・ピッキング・スタイルなんつー奏法で
ギターを弾いていますが、
ポールが28才で作った「ブラックバード」が1968年ですからねぇ。。。

=======
で、天才ふたりに「なんかやれよ」といわれ続けて
ジョージが出した答えが、
まぁ、ジョンに
「ジョージはあれ1曲作っただけでOKだ」
と言わしめた
「サムシング」です。
YOUTUBE
まぁ、他にも結構、ジョージの曲で好きな曲はいっぱいありますが。

で、
割と美味しいステーキ屋を見つけ、
ワインを飲んでおりまして、
ジョージの曲が流れてくると、、、、、ナキソウニナル


一応聞いたら、CDを流してるのではなく、有線だそうです。
あのスピーカー具合も面白いけども、
ちゃんと聴こえるスピーカー・セッティングも優先してほしいかも。

上達したきゃ失敗しろ。(ウクレレ塗装2)

うがぁあああああああああ〜〜〜
へにょへにょ〜〜〜ん。

最後の塗装で失敗したぁああああああ。

何度もシーラー塗って、
何度もオレンジ塗って、
何度もアクリル塗って、

最後のアクリルを裏側に塗って、小1時間待って、
持ち上げたら、
アクリルが下側に垂れ流れてて、
オレンジがハゲてたぁああああああああ。
Photo

Pa0_0312_2

人生はエンジョイです、、、、、w

「こうしないからだよ」みたいなアドバイスは
要りませんよw
わしゃ、好きで、知ってる情報をも無視することもありつつ、
好き勝手にやってんだから。

まぁ、ギター雑誌で働いてんだから、
多くのメーカーが塗装を、空間にぶらさげて(立てて)
やっていることくらいは知っている。
が!
あえて、
自宅で面倒なことを省いてチャレンジしていく、
そして、失敗することによって、
次の作戦を考えるのが好きなので、
情報は、経験には勝らないでごわす。

この失敗をしてこそ、
空間にぶら下げて塗装をする意味を、本気で
体感するわけです。。。。

ってか、失敗さ、、、、へっ、、、
くそう、、、。
なんとでも言いやがれ、、、、へにょ〜ん。。

しかすぃ!
このハゲた部分って、エレキ・ギターで言うと、
トラスロッドのカバーが有る部分だよなぁ、、、、
トラスロッドつけちゃおうかな、、、、、

っつて、また新しいアイデアを生み出すのさ。

ウクレレ塗装(ネックのみ)

 塗装が流行っておる、、、、、んなわけない。

が、
とりあえず、
色々、改造していると、結局、
存在するウクレレを壊すよりも、ウクレレ・キット

を購入して、そこから作ったほうが楽な事はある。

だが、キットは塗装されていないので、
とりあえず、塗装のノウハウを試すべく、
やってみようじゃまいか。と。
ちょうど、ヘッドの木目が悪く、黒ずんでいるので、
何かで誤摩化す感じに、しようじゃまいかと。

決して、アメリ缶にならんでもいいジャマイカ、と。

最初に、
パソコンでロゴなるものをデザインして、
プリントアウトして、
切り取って、
張ってみた。
Photo
のだが、なんか、ハズい気がしないでもない。
まぁ、いいや、
これ、辞めよう。。
剥がしまして、、
一色に塗ってしまえ〜!
と、
ロック・ペイントを探しに、DIY屋に行く。

これが、、、売ってない。
何故だ、
俺らがガキの頃、塗装と言えば、ロック・ペイントだったジャマイカ。
店員に聞いてみたが、どうもウダツの上がらない返事しか返ってこない。

と、何日か、どうしよう、、と彷徨っているうちに
見つけた。

灯台下暗し

100円ショップに有った。

逆にですけどもぉ、まさか、こんな780円しそうなイメージの商品が、
100円で売っていようとは。。
ラッカー・スプレー」という名前だったが、これ安いよぉ。

で、
プライマー?サフェーサー?
んな言葉は知らん!w
が、
「下地塗り」すりゃいいんだろ。
ということで、「サンディング・シーラー
なるものを、吹き付ける。


次に、オレンジの「ラッカー・スプレー」を吹き付ける。

で、少し安定したっぽいので、
透明「アクリル・シリコン」を吹き付ける。

吹き付け、、、ふきつけ、、、ふきつ、、、不吉な予感がぁ、、、!

ははは、先の、
自作ロゴを剥がした後が、逆に、なんだか、
少し凸凹感が、、、、、。

まぁ、別に、わしゃ
こんなもん、最初に失敗してナンボだと思っているので、
いいのだが、
あれだな、
予想よりも、
塗装って、相当面倒臭いね(もちろんシンナー臭い面もある)。

まぁ、今回使った物は、比較的、乾きやすい材料ばかりだったけども、
吹き付けては研磨、吹き付けては研磨、吹き付けては研磨、、、、
この研磨具合に手を抜くと、
前に塗った際の、ちょっとした線が、透けて見えるんだな、
(光を当てなきゃ目立たないので、綺麗にできたほうだが)
下地の時から、もうすでに研磨してかなあかん、
もしくは、木材を先に、相当研磨しておかなあかんっちゅう。

しかし、こうして経験してみると、
2000円のウクレレでも、ちゃんと塗装してあるメーカーは偉いね。

え〜〜〜〜〜〜
ここから先、2行は、読まなかったことにしてください。
=========
マハロという会社のは、塗装しっかりしています。

あとのメーカーは、、、、
=========
はい、なおれ。

で、まぁ、
何度も塗装しなあかん様子を岐阜弁で言うと、

まっと塗装しなあかん、まっと塗装しなあかん、まっと塗装しなあかん」

というくり返しなのだが、

パステル、マット塗装、マットクリアー、、、?
そんな言葉知るかぁーーー!

と言いつつ、
ここまで出来ました。
Photo_2

あれだな、
都会のベランダ塗装では、
スプレー式のほうが面倒だ。。。

次回からは、刷毛で塗ろう。
どっちみち、研磨しなあかんでのぉ。
塗装作業なんつっても、事実上、半分の作業は研磨時間だな。

まるで、


けんま1/2じゃまいか。
Photo_3


シナリオ『ミスター・サンドマン』

『ミスター・サンドマン』山田大地
(ペンネーム?w↑もちろん、大好きな太一のパクリです)


1 銀座(夕方)

サラリーマン、OL、主婦など雑多に歩く銀座通りから1本裏側だが、車は2車線対向で走っている。
画廊や美術道具を売る店、喫茶店、ハンバーガー屋もある。
いかにもサラリーマン姿の与謝野雄司(中井貴一)が走ってくる。
時計を見て走る。
「この辺なはず」という顔で探し、上を見、画廊を見つける
「ここだ」という顔で、外から少し中を覗き、画廊に入る。
画廊の表に「橘かおる展」と書いてある。


2 画廊(中)

それほど大きくない20帖くらいの画廊。
壁に女性らしい絵が20枚ほど飾ってある。
中には、男女合わせて7,8人ほどがおり、絵を見て歩いている。
椅子はなく、中心に男性4人が立って談笑している。
中心には、スカートにハイヒールの与謝野(旧姓/橘)かおる(山口智子)。
少し離れたところに男性がひとり川野辺信夫(蟹江敬三)、絵を見ている。

雄司、入ってきて、かおるの顔を探し、見つける。
かおる、立ってワインを手にした4人の男性に囲まれるように会話中。
片手を顔に挙げて(約束の時間に遅れて)ゴメン。
かおるを確認、笑顔のまま、なんとなしの返事の顔で眉を上げる(気にしていない)。
雄司、ジャケットを脱ぎながら、奥のスタッフルームっぽい空間を指さして、かおるの顔を見る。
かおる、うんという顔。
雄司、ブースに入る。スタッフルームといっても、会場と繋がっていて2帖もない空間で、持参した別のジャケットに着替える。

かおる「いえいえ、もう入江先生に褒められることなんて滅多にないことだから、この際、いっぱい聞いておきたいですぅ」
入江「いやぁ、私は生徒の全員に出世してもらいたいくらいだが、なかなか全員というわけにもいかない。その点、かおる君は今の所一番株だ」
かおる「株が下がらないようにガンバらなっくっちゃ」
男性B「入江さんがそう言うなら、私もひと株乗っておいたほうが良さそうだな」
囲む数人が笑うが、やや社交辞令っぽい。

雄司、着替えて出てくる。
かおるは気にもせず、談笑している。
雄司、知った顔がないものの、少し顔をにこやかにしながら、なんとなく会場内を歩き始める。
ひとりの男性客らしき人物/川野辺信夫に目を留める。
他の客は組であり、ひとりなのは川野辺のみ。
男性、気がついて、なんとなく雄司に愛想笑い。
雄司、お辞儀をして、また歩こうとするが、男性が迷った感じもありつつ、話しかけてくる。

川野辺「いい絵ですよね」
雄司「あ、ありがとうございます」
川野辺、小さくビックリして、
川野辺「あ、え〜と、、、」
雄司「あ、妻です。いや、夫です」
川野辺「あ、そうか」
雄司「与謝野、、、じゃなくて、橘かおるの夫です」
川野辺「そりゃそうでしょう。妻なわけがない」
雄司「あはっ」
川野辺「しかし、いいですな、奥様の絵は」
雄司「ありがとうございます」
川野辺「迷っちゃう」
雄司「私はそれほど詳しいわけじゃないけど、、」
川野辺「いや、私だって、、、しかしいい絵だ」
雄司「じっくり見てください」
雄司が立ち去ろうとするのとやや止めそうに、
川野辺「うん。いやぁ、どれもいい絵だ」

雄司が川野辺に出すつもりでワインを取りにくる。
かおるが来る
かおる「いいの」
雄司「あ、すまない。会社5時に出られなかった」
かおる「あ、違う違う。いいの」
雄司「今、〆切り前でね、それでも今週はまだ帰れるほうだけど」

かおる、雄司をブースに引っ張る

かおる「違う違う。ワイン」
雄司「ワイン?」
かおる「こっちでいい」
雄司「違うもの?」
かおる「うん。こっちが安いほう」
雄司「いや、あの人、買ってくれそうなんだよ」
かおる「あの人、タダノさん」
雄司「只野さん?」
かおる「そう、分かってるから、こっちにして」

会場から「かおるさ〜ん」の声

かおる「(会場に)はい〜今〜。」
雄司「知ってる人なら、なおさら、こっち(高いワインのほうが)」
かおる「知らないけどタダノさんだから適当でいいの」
かおる会場に出て行く。
雄司、何を言ってんだか分からないままなので、少し迷うが、
「知らない人なら、なおさらだよなぁ」と、つぶやいて高いほうのワインをグラスに継ぎ、持っていく。

雄司「只野さん、あの、これ、どうぞ」
川野辺(少し驚きつつ)「僕?何?ワイン?いいよ、僕は」
雄司「いえ、どうぞ、せっかくですし」
川野辺「いや、ほんと、いいんだ僕は」
雄司「でも、皆さん飲んでらっしゃるんで」
川野辺「あ、そうか。そうこともあるか、僕だけ持ってないのもあれか」
雄司「はい」
川野辺「あ、じゃぁ、遠慮なく、いただきます」
雄司「簡単な軽食も用意してありますので」
川野辺「あ、そう。(そういうものなのかと)そうね、少しいただこうか、ちょっと歩いてきたんでね」
雄司「はい、どうぞ」
近くのテーブルにサンドイッチや爪楊枝の刺さった果物、クッキーなどが置いてあり、そっちに連れていく(といっても元々近い)。
川野辺「おいしそうだね」
とカツサンドを手にする。
雄司「どうぞ、遠慮なく」

少し離れて、かおるがそれを見て「しょうがないか」という顔。


3 銀座の道路

サラリーマン達が仕事を終えて飲み屋に向かって歩く様子などあり、


4 画廊の外

画廊から最後の客が帰るのを、かおるが見送る形。
お辞儀をしながら、「ありがとうございました」
男性A「いやぁ、かおるさん、結婚しちゃったもんなぁ〜、俺がモタモタしてるからかぁ〜」
男性B「何、言ってんだよ、妻子持ちが!」
男性C「妻子居なくても、お前じゃ無理だよ」
男性A「そりゃそうかぁ〜」
3人、笑う。(ワインで少し酔ってはいるが、品は残っている)
入江「かおる君の絵、最近、優しさが出て来てる。うん、いいよ」
別の男性B(やや男Aに向かって)「そうそう、彼女のそういうの、引き出す男じゃないと相手にはしてもらえないの!」
男AなんだよとBをつつく。
入江、普段ならこういう下品な会話は嫌いだが、今日は怒らないといった感じ。
雄司、照れ笑いでお辞儀。
男性C「与謝野さん、かおるさんをよろしくお願いしますよ、我らのマドンナなんだから」
雄司「はい」
男性A「かおるさん、もし分かれる時は、俺に教えてね」
男性C「お前は妻子持ちだってば、お前が先に離婚しなきゃ駄目だよ」
男性B「だから、妻子持ちじゃなくっても無理だっての」
かおるも笑っていつつ、
かおる「残念でした〜、わたしは与謝野にゾッコンなんです〜、分かれる予定は60年ありませ〜ん」
雄司、照れる。
かおる(改まって)「入江先生、本日はありがとうございました。皆さんもありがとうございました。また、今後共よろしくお願いします」
入江「そうね、ダンナに怒られない程度に、よろしくするよ。ガンバってね」
かおる「あ、名前は橘でいきます。橘のままです」
入江「そう」
かおる「はい。ありがとうございます」
男性A「そりゃそうだよね」
男性BがAをつつく。
入江と集団、去っていく。
雄司「我らのマドンナって?」
かおる「例の絵画教室の先生と、同じクラスの生徒さん達」
雄司「へぇ〜、意外と高齢なんだね」
かおる「生徒はたくさん居るけど、他の友達はたぶん明日以降に来るのよ。先生は逆に初日に来るものなの」
雄司「ふぅ〜ん、あ、それで初日にだけ軽食出すのか」
かおる「ま、それもある」
雄司「それにしても、僕の名前、皆さん知ってるんだねぇ」
かおる「まぁね」
雄司「そんなに喋るの?(色々な人に僕のことを)」
かおる「そういうわけじゃないけど」
雄司「あ、そうか、そうだったね」
かおる「そういうこと」
雄司「与謝野かおるじゃぁね」
かおる「うん」

中年の女性が出て来て、かおるが気づき「ありがとうございました」
女性「とっても良かったわ。また来ますね」と言って立ち去る。
淡白である。

川野辺が、よそよそしく出てくる。
雄司、近寄って、
「ありがとうございました」
川野辺(ややビックリした感じで振り返って)「あ、いえ、美味しいワインをごちそうさま」と少し笑顔。
かおる「ありがとうございました」
雄司「また、どうぞお越しください」
かおる、雄司の腕を取って少し引っ張る。
雄司、何の意味か分からないが、もう一度、川野辺に「よろしくお願いします」
川野辺、少しだけかおるの顔を見て「うん、いい絵です。また来ます」
雄司「はい」
かおる黙ってお辞儀。
川野辺が見えなくなって、
雄司「もう少し、愛想よくしたほうがいいん、、(じゃないの)」
かおる中を覗くと、会場にお客は居ない。
かおる「さ、さっさと片付けて飲みにいこ!」
雄司、画廊の中に引っ張られる。


5 銀座の少しだけシャレた、でも食べ物もある飲み屋(つまり銀座価格よりは安そうな居酒屋)

かおると雄司が、最初のビールを飲んでいる。
食事の注文をし終わった体で、
店員「かしこまりました」
店員、奥へと。

かおる「ごめ〜ん、言ってなかった」
雄司「何?」
かおる「タダノさん」
雄司「え?」
かおる「タダノさんのこと、雄司に言ってなかった」
雄司「え?さっきの。え?何?」
かおる「タダノさんって言ってね」
雄司「え?あの人?何?かおる、まさか、、、、」
かおる「ちょっとちょっと、何勘違いしてるの、私たちまだ新婚ホヤホヤでしょうが」
雄司「そりゃそうだけど新婚じゃなかったらいいってわけでもないけど」
かおる「何言ってるの、ただの冷やかしさん」
雄司「ただの冷やかしさん、、、、え?あ!さっきの男性?あれ?只野さん?」
かおる「そう、あのオジサン絵を見にきてるんじゃないの。作家が画廊で展示会をやる初日。大抵は1週間展示だとすると月曜がオープニングなんだけど、そうじゃない画廊もあるし、曜日ごとに何件も回るの。絵のことなんか分からないんじゃない。そういう人達、けっこう居るの。ほら、画廊に次回のパンフレットとかあるでしょ。それ持って帰るんだけどね、私たちよりも銀座の画廊スケジュールに詳しいんじゃない。ただの冷やかしさん。」笑っている
雄司「ただの冷やかしさん?でも絵を見にくるんでしょ?」
かおる「ワインとサンドイッチ」
雄司「ワインとサンドイッチ、、、、、、、あ!」
かおる「わかった?」
雄司(顔に手をあてて)「あぁ〜〜」
かおる「まぁ、今回は、久しぶりの展示会で、初日に疲れるの分かってたから、雄司呼んだんだけど」
雄司「遅れてごめん」
かおる「いいの、いいの、こうして終わってからすぐに雄司と飲みたかったから呼んだんだから」
雄司(少し嬉しい)「そう」
かおる「私にはピンと来ないんだけど、みんなが初日はスカートだとか言って、慣れないハイヒールで」
雄司「うん」
かおる「先生とその取り巻きが来ることは、分かってたから初日は疲れる」
雄司「うん」
かおる「タダノさんのことまでは気が回ってなかった」
雄司「お客さん、、、て言うのかどうか知らないけど、声かけないほうが良かったか」
かおる「ううん(いいえ)、こっちから、無下に断ることも出来ないんだけど、美術関係の方々と同じ高級ワインは出さないように気をつけてるの」
雄司「あ、そう、、、分からなかった、ごめん」
かおる「ううん、こっちが謝るほう。ごめんね、雄司に説明してなかった」
雄司「いや、いいけど。そう、そういう人が居るんだ、ビックリした」
かおる「そういう、人達、ね。何人も居るの」
雄司「へぇ〜、いろんな世界があるんだなぁ」
かおる「おばちゃん来たでしょ?」
雄司「さっき?」
かおる「うん、入江先生が帰った後に帰ったおばちゃん」
雄司「覚えてないけど、、、あの人もタダノさん?」
かおる「まだ顔を覚えたわけじゃないけど、また来るって言う人は、もうその週には来ないわ。本当に来る人は曜日を指定して来るって言う」
雄司「なるほど」
かおる「あのおばちゃんもサンドイッチ食べてた。可能性はある」
雄司「見てるんだ」
かおる「まぁ、莫大な損害ってわけじゃないけど、ホームレスが来ることもあるわけ」
雄司「なるほど」
かおる「それはもっと困るの、臭いが、プーンって」
雄司「あぁ〜」
かおる「だから、今日のタダノさんは、まぁしょうがないけど、また来たらちょっと嫌だなぁって」
雄司(何かに気がついて)「あ、でも、ってことは、あの人、名前は?」
かおる「知らな〜い。タダノさんってのは私達が勝手に呼んでいる不特定多数の名前。まぁノートに名前と住所を書いていく人も居るから、時々間違えてお知らせハガキ出しちゃうこともあるんだけど、分かった時点でハガキも出さないようにして」
雄司「顔で分かるの?」
かおる「なんとなく分かるのよ。今日の人の顔を見たのは、たぶん3回目位だけど、私だって他の作家さんのオープニングに行くじゃない。そういう時にも見た顔。覚えてから3回だから、もっと前から来てるのかもしれない」
雄司「また来るかな?」
かおる(少しからかう感じで)「来るかもよ〜、またどうぞって言っちゃったじゃない〜雄司」
雄司「あ、」
かおる(からかう感じ消えて)「何?他に何かあったの?冗談じゃなくなるの嫌よ」
雄司「呼んじゃった」
かおる(焦り出して)「どこに?」
雄司「タダノさん、って」
かおる「タダノさん?」
雄司「声かけちゃった」
かおる「呼んだの?」
雄司、うなづく。
かおる、安心して笑って
「じゃぁ、もう来ないわ。そう、呼んじゃったの、どういう字だと思って?」
雄司「そりゃ、タダ食いの野原で只野、、、、、、、あっ」
かおる、笑いながら
「じゃぁ来ない、来ない。余計に来ない。ただ食い只野さんはもう来ない〜、だって、あのオジサンもまた来るって言ったでしょ」
雄司「うん」
かおる「だから軽食出さない日には来ない」
雄司「だといいけど」
かおる「今は雄司をからかっただけ〜。只野さん達は同じ展示会には二度来ないわ。さ、飲も!私達は、ちゃんとお金払って食べよう!ただ食い只野さんにカンパーイ」
雄司、なんだか煮え切らない顔で、グラスを合わせた頃、料理が来る。

===次の日=====

6 画廊の中

 パンツ姿に底の低いシューズのかおるが、友人らしき女性2人(智子、裕子)を相手しながら談笑している。
画廊の扉があく。
かおる見る。
画廊の扉から、川野辺が入ってくる。
かおる、何も言わず、そのまま友人達の話に合わせて作り笑う。
川野辺が絵を眺めて歩き出す。
かおる、川野辺をちらりと見る(笑顔が消える)。
川野辺、一枚一枚、絵を眺める。
かおるの顔。
(以前のシーンの音声だけで)川野辺「うん、いい絵です。また来ます」


メイン・タイトル

以下クレジットのバック
(音楽、インスト/チェット・アトキンス/ミスター・サンドマン)

雄司、会社の中。どこかの本の編集部。
電話をとって、何かを言っている。
例えば「困りますよ、先生。〆切り来週ですよ、今、5ページじゃ危ないですよ」

川野辺、絵を眺める。
かおる、友人達の話を聞いているが、よくは分かっておらず、時々川野辺を見る。

(2年前の回想シーン/別な画廊)
雄司、絵を見ているが、気もそぞろで、絵を見てるようで見てない。
智子、裕子に向かって「ね、お昼にしよう」
智子「え?いいの、ここ」
かおる、少し大きな声で「昼休みはあるの」
雄司に聞こえる。
雄司、「あ、お昼ですか、はい、分かりました」
かおる「すみません」
裕子「私、お腹空いてないけど」
かおる「お茶よ、お茶」
智子「閉めるの?」
かおる「そりゃ、お昼くらい取るわよ」
奥のテーブルに、かおるが食べるつもりだったコンビニのおにぎり。
雄司「あ、また来ますから」
かおる「すみませ〜ん」

(クレジットと音楽、終)


7 マンション一室(夜)

2LDKの部屋の居間。テレビついていない。食事済んだ様子で、雄司とかおる。
雄司(キッチンでコーヒー豆を用意しながら)「それで、どうしたの?」
かおる(買ってきたケーキの箱を空けつつ)「昼休みだからって、智子達と食事に行くって」
雄司「あぁ、智子ちゃん達来たんだ」
かおる「うん、丁度、裕子と智子来ててわざと大きな声で久しぶりだから画廊は一旦閉めて、食事に行こうって。ちょっとあからさまに。だから明日は来ないといいなぁ〜」
雄司、止まる。
雄司、居間に来て、
「ちょっと待って、覚えがある」
かおる(しまった顔)「あ、え?何?何?」
雄司「かおると初めて話した日、画廊で」
かおる「画廊だったっけ?」
雄司「画廊。俺が絵を見てたら」
かおる「そうだっけ〜?よく覚えてないけど」
雄司「裕子ちゃんと智子ちゃんが居て、その時はもちろん知らない人達だけど、かおる、食事タイムで出かけるって画廊閉めちゃって」
かおる「でも、戻ってきたじゃない〜」
雄司「覚えてるんじゃないか」
かおる「(バレた)だけどよ、一旦は画廊に鍵かけて雄司を追い出そうとしたけど」
雄司「追い出した」
かおる「追い出したけど、すぐに智子がいい男よなんて言って、よく考えたら、私好みの男だったから、戻ってきて呼び止めて、だから今の私たちがあるんでしょ〜」
雄司「戻ってきてくれたけど、そうだけど」
かおる「そうよ〜」
雄司「かおるは、最初に俺を只野さんだと思ったんだ」
かおる「違う〜、あの頃はまだ只野さんって言葉、知らなかったもん〜雄司〜そんなこと忘れて、ケーキ、食べよ、ほら、美味しそう〜」
雄司「あぁ〜俺も只野さんだったのかぁ〜」
かおる「違うって、雄司は雄司、与謝野雄司く〜ん、ケーキ食べますよ〜」
少しおだてても雄司が乗ってこないので
かおる「ちょっと、雄司!あんた、でも実際には私をナンパしに画廊に来てたんだよね!」
雄司「ナンパっていうか、、、カワイイ子が居るなと思って入ったんだから、、」
かおる「絵が分かるとか、興味あるとかじゃなく、私目当てで入ってきたんでしょ」
雄司「そうだけど」
かおる「じゃぁ、雄司も只野さんって言われてもしょうがない」
雄司「え〜そうなるの〜」
かおる「そうなるの。でもさ、いいじゃない、それで、カワイイ奥さん貰うことができたんだから〜」
雄司「う〜ん」
かおる「只野雄司く〜ん、ケーキ食べますよ〜、コーヒー入れてくださ〜い」
雄司、またしてやられたとキッチンにコーヒーを煎れに行く。


==水曜==

8 銀座のビル内の会社(夕方)

雄司、会社内で原稿を読んでいると携帯に着信音。
かおるからのメール。
「キタ、キテ」
雄司ひとりごと「なんだよ、キタ、キテって、、」
編集長「お〜い、与謝野〜、北上先生の原稿進んでんのかぁ〜?」
雄司「あ、はい、ちょっと発破かけに行ってきます」
編集長「とか言って女房の個展とかに行くんじゃねぇだろなぁ〜」
雄司「違いますよ、北上先生のところ行きますよ」


9 画廊の中(夕方)

かおるが困った顔で立っている。
川野辺、椅子に座って下を見ている。
雄司が走ってきた感じで入ってくる。
かおる「あ、来てくれた、ありがとう」
雄司、川野辺を見て一礼して「どうしたの?」
かおる「買うって言うの」
雄司「絵を?」
かおる「そう」
雄司「よかったじゃない、た、、、やっぱり買ってくれそうだって俺言ったじゃない」
かおる「違うの」
雄司「違うって?」
かおる「知らないの、いろんなこと」
雄司「そういう人でも買ってくれるって言ってるんでしょ。俺だって最初は絵のことなんて知らなかったよ、今でも詳しくはないけど、、」
かおる(やや川野辺にも向かって)「展示会は、その日に絵は渡せないの。1週間なら1週間、展示して、今日は水曜だから、あと日曜まで(手を指おって)4日間、それが済んでからお買い求めいただいた絵は丁寧に梱包して専門業者に運んでもらうか、私達が直接お家に持っていって壁に飾ることもあるくらいなの」
雄司「それは、僕も知ってるけど」
かおる「(ほとんど川野辺に向かって)専門業者って単なる運送屋さんじゃないの。美術品を傷付けないように保険込みで運んでくれる運送屋さんなの。今日、持って帰ってもらうわけにはいかないの」
雄司「持って帰るって?どれを?」
かおる「どれでもいいって言うの」
雄司「それは、、、、、」
かおる(明らかに川野辺に向かって)「私はまだこの業界の新参者です。でも、1枚1枚心を込めて書いています。気に入ってくれたらもちろん嬉しいです。でも、どれでもいいって言われると悲しいの、分かります?」
川野辺「いや、私は、、、私はどれも全部気に入ったから、先生に選んでもらって、、、」
かおる「先生なんて呼ばれるほどのアーティストじゃないけど、これくださいって言うなら喜んで買っていただきます。展覧会終わってから運びます。でも、どれでもいいから今日、持って帰ると言われては、お売りすることはできません」
川野辺「すみません、、、」
雄司「あ、、えっと、、、その、、、全部気に入ってくれたんですか?」
川野辺「そ、そうなんです。全部気に入ったんです。でも選べない」
かおる「素直に喜べない」
雄司「えっと、ただ」
川野辺ピクンとする
雄司「その、なんとお呼びしていいか」
かおる「川野辺さん」
川野辺「川野辺信夫です、三本川に野原の野、その辺の信じる夫ののぶお」
雄司「野原の野」
川野辺「はい、川野辺です」
雄司「川野辺さん、でしたら、後4日あるから、もう一度考えてどれがいいか決めて、それで最終日に運んでもらうといいんじゃないですか?」
かおる「今日、現金で払うって言うの」
雄司「え?現金」
かおる「そう。どれでもいいって現金で払うって」
雄司、少し見回して、かおるの作品の金額を見る。

かおるの作品、大小サイズ違いの絵が少しずつ写り、金額も写る。7万、12万、大きなのは14万あたりの金額。

川野辺「私が現金で絵を買ってはおかしいですか?」
かおる「普通は住所と名前を書いてもらって、契約という形を取って、振込と運ぶ日取りを決めます」
川野辺「だから私は持って帰るって」
かおる「どれでもいいと言われたら、一番安くて小さいのを渡さざるおえません」
川野辺「いや、サイズじゃなくて、本当にどれでもいいんです」
雄司「あの、川野辺さん、何か事情がおありなんですか?」
かおる「そうなの、雄司、私もそう思うの」
川野辺、我慢していたが、少し怒りに近いものがこみ上げてきて、
川野辺「私が現金で絵を買ってはおかしいですか?現金は持ってます。こう言っては何だが、貴方の絵の一番高いのを買う金は財布に入っている」
見せようと財布を取り出す
川野辺「そりゃぁ立派な服は着ていない。美術とか芸術とか、そういう格好じゃないけど、お金を持ってれば売ってくれるんじゃないんですか?」
雄司「あ、落ち着いてください」
川野辺「貴方は絵を売っているから、私は買いたいと申し出た。全部、気に入ったから貴方に選んでほしい。なのに売ってくれない。私が絵を買うことは、そんなに大それたことですか?」
雄司「はい、わかります、まず一回落ち着いて只野さん」
川野辺、雄司の手をやや叩く感じで、
「私は只野さんじゃない!」
かおると雄司、ビックリして声が出ない。

==少しだけ時間経過=====

10 銀座、路上

雄司、ちょっとした公園を見つけて「ここ、どうですか?」
川野辺、顔を挙げて、「あ、そこは駄目、そこじゃないところ行きましょう、すみません、もう少し離れたところ」
雄司、あそう、、、という顔
かおるドンドン歩く

11 マクドナルド

テーブルにコーヒーが3つ置いてある。
川野辺「すみません、あなた方に当たるべきではなかった、すみません。それに、こんな店に移動してもらって」
かおる「ずっと一日、立ったままなの私、疲れるの、私が座りたかったの」
川野辺「すみません」
かおる「こういうハンバーガー屋の若い子達は他人の話聞かないから大丈夫よ」
川野辺「あ、そう、そういうもんなの。。。。昨日ね」
雄司「昨日、、、」
川野辺「こちらの絵を見て、なんか暖まる絵だなぁと思って、なんだか優しい絵だなぁと思って」
かおる(どうだか、という顔)
川野辺「でも、なんとなく、皆さんお帰りの時間になって、慌てて私も出た」
雄司、覚えているという表情でうなづく。
川野辺「そこでね、あのビルの裏。さっきの公園、あそこで知らない男に連れてかれた」
雄司「連れてかれた?」
川野辺「あ、拉致とか、そんな大そうなことじゃない。知らない男に声かけられてね」

回想(月曜の夕方)
12 公園

川野辺が入りたがらなかった公園。
他に人は居ない。
男が2人、すでにベンチに座っている。
川野辺、男に腕をつかまれてきて
男「まぁ、とにかく座って」
川野辺「何する気だ?」
男「何もしないよ」
川野辺「誰、誰なんだ貴方達」
男「手は出さない。ゆっくり説明するから、とにかく座ってくれないかなぁ」
川野辺、おどおどしつつ、座る。連れてきた男が隣に座ると他の2人が立ち、3人が川野辺の座っているベンチを囲む状態に。
川野辺「なんだっていうんだ、大人をつかまえて」
男「はははは、子供連れてきたら犯罪だよ」
川野辺「そういうことを言ってるんじゃない、誰なんだ、あんた達名乗りなさい」
男「あんただって、名前書かないだろ」
川野辺「名前?書かない?」
男「画廊のノートに名前書かないだろって言ってんの」
川野辺「画廊のノート?」
男「しらばっくれても無駄だよ、知ってんだから」
川野辺「知ってるって何を?」
男「あんたが何してるか知ってんの」
川野辺「私が何してるってんだ」
男「大声出すなよ大人が」
川野辺「呼ぶぞ、警察を呼ぶぞ」
別な男(少しすごんで)「大人だろ?ルールを守れって言ってんの」
川野辺「ルールってなんだ?」
男「まぁ、あんた一匹狼のつもりかもしれないし、この道のルール、知らなさそうだから、教えてあげるってわけ」
川野辺「この道?」
男「そう。言っておくけど、俺達はあんたの先輩」
川野辺キョトン顔
男「誰だ誰だって聞くから教えてあげるけど、俺達は皆只野さん」
川野辺「只野さん?」


13 マクドナルド

かおる「ビックリ!その集団ってこと?只野さんってつるんでたの?」
川野辺「だから、私は只野さんじゃないんです、その説明をしてるんです」
雄司「それで連れてかれたってことか」
川野辺「そう、昨日ね、ダンナさん、貴方に私は只野さんと呼ばれた」
雄司「あ、その、、、」
川野辺「私の名前、川野辺だから、聞き間違いかと思った。でも、名前は知られていないはずだ。誰かと間違えたのかとも思ったが、ワインを勧められた」
雄司「はい」
川野辺「サンドイッチも勧めてくれた」
雄司「はい」
川野辺「嬉しくてね、つい、いただいた」
かおる「でも、私は貴方をもう3度もオープニングで見てます」
川野辺「何度か画廊には入ったことがある」
雄司「はい」
川野辺「そういう時もワイン、いただいたかもしれない。そういうものなのかぁと思ってた。昨日も私だけじゃない、他にも女性がいただいてた。その女性がしきりに私にクッキーを勧めてくれて、、、あの人、身内?」
かおる「あのおばちゃん、只野さん女性版〜たぶん、貴方を利用して、おばちゃんのほうがたくさん食べたんじゃないかなぁ」
川野辺「そ、、そうか、、、それでか、、私は只野さんなんて知らなかった」
雄司「普通、知らないですけど」
川野辺「奴らに教わった」
雄司「拉致した男達?」
川野辺「そう、ルールを守れって言われた。順番があると言うんだ」
かおる「へぇ〜、バレバレなのにねぇ〜」
川野辺「でも私はそういう、、、無銭飲食目的じゃないんだ。私はちゃんと働いている、賃貸アパートだけど家もある。奴らとは違う。」


回想シーン
14 公園

男「じゃぁ、なんでオープニングに来るんだ?」
川野辺「オープニングって何よ?」
男「軽食が出る展示会の初日だよ。そんなことも知らないのか?」
川野辺「他の日は軽食、出ないの?」
男「それ知っててあんたも月曜にだけ現れるんだろうが」
川野辺「俺は仕事が月曜休みなんだ。銀座に来るの月曜だけ」

15 マクドナルド

川野辺「まぁ、奴らの話はそれくらいだったんだけど」
かおる「今日は水曜よ?」
川野辺「そう、昨日は仕事休んだ。火曜にワインが無いこと、昨日奴らに聞いたけど自分の目で確認したくて」
かおる「無いわよ、教室の先生も来ないし〜」
川野辺「今日は仕事が遅番、この後から朝まで。それで、、、私は只野さんじゃないって貴方に言いにきた」
かおる「それで私の絵を買うって言い出したの?買わなくても喋ればいいじゃない」
川野辺「それは言いづらいですよ。考えてもください、突然、私只野じゃないって、それは言いにくいですよ」
かおる「そりゃまぁ、そうだけど」
川野辺「でもね、言い訳だとか思われるかもしれないけど、貴方の絵は本当にいいと思う。癒しって言ってしまうと簡単に聴こえちゃうけど、暖かい、貴方の絵は暖かい」
かおる「、、、、ありがと、、、」
川野辺「歌舞伎町で働いています。いや、水商売に近いと言えば近いけど、店ではない。サンドイッチマンってやつです」
雄司「サンドイッチ?」
川野辺「偶然というか、語源は同じなんだが、風俗の看板を前と背中で挟んで立っているあれ、サンドイッチマン。分かるでしょ。食パンで作るサンドイッチみたいでしょ。若い子は知らないだろうけど。今じゃそんなに居ないし、一日立ってもあまりお金にならないし、でも、この歳で働き口はそうそう無いし。毎日看板は違って、パチンコ屋とかキャバレーとか、看板によって仕事時間はまちまちだけど。基本的には月曜休み」
かおる「新宿で働いている人が何故、銀座で画廊巡り?」
川野辺「風俗は週末から日曜がピークで月曜は休み。休みの日に家に居ても何もすることがない。あぁ、家族は居ない。60才、一人暮らし。娘が海外に行ったまま、滅多に帰ってこないから、アパート暮らし。あぁ、もちろん、こんな話、奴らにはしてません。あなた方に初めて話すこと。銀座はね、私の世代では夢の街だったんだ。新宿と違ってね。憧れたのは銀座。それで、以前、一度、銀座を歩いていて、ふと画廊の人に声をかけられた。なんとかっていう外人さんの絵だった。いいですね、なんて見ているうちに買うことになった。あれよあれよと、手持ちの金、5万円をまず払って、残りの金額の振込方法なんか決められていってね。振り込まないと絵が送られてこない。絵が来ないとすでに払った金額が丸損する。振り込んだのが失敗だったかな、いや、絵は届いたよ。でもね、後で人に見せたらね、絵を書いているのは本当に外人の有名なアーティストらしんだが、写真コピーだって。つまり偽物。ダンボール箱を空けてみたら立派そうに見える額縁に一枚の紙っきれ」
かおる「あぁ、昔はそういうのいっぱいあったんだってね。だいたい何だったの?油絵?水彩画?版画だったら、印刷みたいに刷って量産するんだから当たり前の話だし、ゴッホだとかピカソなんて写真だって高額よ?」
川野辺「恥ずかしいけど、そういうの、分からない。自分が何をもって絵だと納得していたのか、分からない」
雄司「訴えなかったの?」
川野辺「詐欺で訴えるとか、そんな大それたことはできやしない。これはお買い得だとか、素晴らしい絵だとか言われて、納得のうえで購入しちゃったのは私でね。それでも1枚の紙が30万だからね」
かおる「5万円の後に、25万?」
川野辺「そう、今思えば5万の時点で気がつけば良かった。30万振り込んで絵が送られてきてから銀座に行ってみた。分からないんだ。その場所が。随分歩いたよ。4時間近く歩いてね、買った店が見つからない」
かおる「そりゃ、もう居ないんでしょう、ちょっと商売して、さっさと畳んで他の街に移動してるのよ。」
川野辺「たぶん、そうなんだろうね」
かおる「まぁ額縁代だと思って諦めるしかないわ、(こいのぼりのフシで)絵よりも高い額縁代〜♪って歌になりそうなくらい」
雄司「30万ですかぁ、、、」
川野辺「まぁそのことはもういいんです。あれから10年以上は経ってる。でまぁ、4時間も歩いていてね、だんだんバカらしくなってきた。自分がね。金額よりも、実際の絵とコピーを見分けることすらできなかった自分がふがいない。それから何度か画廊に入ってみた。絵は絵だと分かるようになった。当たり前ですよね、お二方からすれば。絵は絵です。写真コピーじゃない」
雄司「まぁ、、、」
川野辺「でもね、絵とコピーの違いは分かっても、絵の価値が分からない。どれが素敵で、どれが駄作なのか、いや、駄作なんて言っちゃあれだけど、良い悪いは分からない。私は絵を見るセンスなんてない」
雄司、自分もだという顔。
かおる「絵を見るのにセンスなんて関係ないのよ、好きか嫌いか、だけよ」
川野辺「そう、それ、分かったの」
雄司「そう(よかったじゃない)」
川野辺「橘さんの絵を見て、それ、分かったの。やっと私、好きな絵、分かった。だからね、嘘じゃない、全部いいと思ってる。もちろん、全部は買えない。そこまでこづかいは無い。一枚だけ。一枚だけ、橘さんに選んでほしいんです、買いたいんです。じゃないと詐欺のことから卒業できない。金額じゃなく、自分のふがいなさを忘れられない」
かおる、なんとなく気持ちは分かったという顔。
雄司、同情の顔。
川野辺「橘さんを疑っているわけじゃないんです。でも振込と配送とかじゃなく、ドンと買いたい。私は、あんなホームレスの無銭飲食目当てな奴らとは違う。絵を好きで買うんだ。心から欲しいと思った絵を買うんだ。只野さんじゃない」
かおる「そこ、そこがまだ腑に落ちない」
川野辺「どこ?」
かおる「貴方が私の絵を気に入ってくれたことは嬉しいわ。でも、只野さんじゃないっていう証明の理由としても今日買うって言い出した感じ、それがなんか受け入れられないっていうか、、」
川野辺「昨日も来ました。昼休みでタイミング悪かったけど、ちゃんと絵は見ました」

智子と裕子を連れて食事に向かうシーン(初出)川野辺、画廊を出て行かざる終えない体で。

川野辺「実は昨日もね」
雄司「昨日」
川野辺「奴らが来て」
かおる「昨日の昼?」
川野辺「あの後」
かおる「昨日の昼?」

智子と裕子を連れてかおるが食事に向かった後、川野辺が男達にまた公園に連れていかれる。

回想シーン
16 公園

前回よりも男達の数が増えている。5人居る。
男「あんた、嫌な奴だなぁ、俺達が昨日言ったこと確かめに来たのか?それとも、自分は只野じゃねぇって証明のつもりか?」
川野辺「そうじゃない。そうじゃないけど、私は只野でもないし、あの人の絵が気に行ったから、また来ただけだ」
男「嘘つけ〜、嫌な野郎だ」
川野辺「俺はあんたらとは違う」
男「どう違うってんだ」
男「ちょっと、こいつ、俺達をホームレスだと思ってんじゃねぇの?」
川野辺、違うのかという顔。
男「そうかよ!思ってたのかよ!」
7人、笑う。
男「いいかい、聞きな。昨日は只野さんの話だけで返してやったけど、そうもいかなくなってきた。俺達の面目ってもんがある。デパートさん!」
デパート「ほい」
男「この人、デパートさん。そう、試食食べて歩くの趣味」
川野辺「趣味?」
男「そう、趣味」
川野辺「どういう、、、」
男「食品会社の取り締まり役」
川野辺「え?社長?」
男「社長より偉い人」
川野辺「じゃぁ趣味ってわけでも、、、、」
デパート「いや、会社の事にはほとんど口出さない。世間の市場が知りたいだけ。会社は私が居ても居なくても進んで行く。つぶれる時はつぶれるでしょ」
男「つぶれないよぉ、デパートさんの会社はまずつぶれない」
川野辺「そうなの?」
男「社名は言わないよ。噂は流したくないからねぇ」
デパート「それでも、最近は試食も減ってきたよ。昔はこれどうぞ、どうぞ、ってデパート2つ回ればお腹ふくれちゃうくらいだったけど、ここんとこは、4つ回っても滅多に試食がない」

デパート氏が食品コーナーを歩くが試食が無いというシーン。

男「不景気だからかねぇ〜、このままでいいんですか、取締役〜」
デパート「市場は減らないからね、ただ、他の食品がライバルって話でもないんだ。他の食品が売れてる時は、こっちも売れる。景気次第って言えばそうだけど、流れを読まないとね」
川野辺「お金に困ってるわけじゃない?」
デパート「買って食べてるだけじゃ趣味にならないじゃない」
川野辺、ややポカーンとする。
男「こっち、この人、サジさん」
サジ「はいよ」
男「分かる?サジさん」
川野辺「マッサージ?」
男「そう、正解ピンポーン」
サジ「俺もデパートって言えばデパートなんだけど」
男「電気屋あるよね。大きな。ヤマダとかイシマルとかノジマとか」
川野辺、うなづく。
男「マッサージ椅子、無料でしょ。それで説明が来るよね、店員の」

サジが、電気屋のマッサージ椅子に座って店員の話を聞いているシーン。

男「誰よりもサジさんは詳しいよ、どの電気屋の店員よりも」
サジ「んなことないよ、俺はマッサージ無料で試したいだけだよ」
男「元水球の選手でね」
川野辺「水球」
男「プールでハンドボールするみたいな」
サジ「歳とったら腰にきちゃってね」
男「豊島区に大きなプールあるでしょ。ここんとこ大きなプールなんて、ことごとくつぶれてるのに、都内で唯一残ってるアミュ−ズメント型プール。昔はアイドル歌手なんかが歌いにきてさ、サジさんモテモテだったらしんだよ」
サジ「全部に手出したわけじゃないよ」
男「怪しいもんだなぁ、それで腰痛になったんじゃないのぉ?」
5人が笑う。
川野辺「まさか、、」
男「まさかじゃないよ、社長じゃなきゃアイドルに手出せるかよ」
川野辺「あのプールで有名な、、、社長?」あぜん。
男「あとの2人も同じようなもんで、こっちはメトロさん、ほとんど一日、地下鉄に乗ってるんだけど、一日に180円しか使ってないんだ。その仕組みは俺達にも教えてくれねぇんだけどね。180円で東京中を回っちまう。あれ?あんまり驚かないか?あのね、乗ってるだけなら誰でもできるよ。違うよ、降りて街を歩いて、また乗ってるんだよ。知ってるか、地下鉄ってのは電車走らせてるだけじゃないんだよ、バスも走らせてんだ。無料バス。銀座から大手町とか、そっちも乗るらしい。JRの取り締まり役じゃないよ、笑っちゃうけど、空よ」
メトロ咳払いして「言わなくていいよ」
男「そりゃそうか、航空会社は2社しかないんだから、社名は言えないよなぁ」
メトロ「半分言っちゃってるじゃない」
5人が笑う。
男「それで、そっちが展望さん、これはそれほど説明しなくても分かるだろうが、都内から富士山が奇麗に見える展望ビルを100カ所知ってる。それで俺が画廊だ。仕事も皆似たようなもんだ」
川野辺「なんだか、、、」
男「あぁ、まぁ、本当のホームレスも俺達と同じような事をする奴は居るよ。でも言っておくが、俺達はホームレスじゃない。仕事を持った趣味人だ」
川野辺「だ、だけど、、、」
デパート「だけど、何だよ」
川野辺「だけど、何故、私にそんな話をするんだよ、私は別に社長でもないし、趣味で画廊の軽食を食べてるわけでもない」
男「わかってねぇなぁ、趣味じゃなくて画廊の軽食を食べて貰っちゃ困るんだよ」
川野辺「そんなぁ、、、」
男「実は、最初はあんたもどっかの社長かもしれないと思って声をかけた。そういうんじゃなきゃ、ちょっと脅すだけで、大抵の奴は来なくなる。だが、今日も来た。昨日の今日だ。訳も分からず俺達のなわばりをウロチョロされたんじゃ、俺達の素性が世間にバレるだろうが」
川野辺「そんなぁ、そのわりには随分、簡単に私に話すじゃないか」
メトロ「なんだと!」
男がメトロを止めて。
男「別にさ、自慢したいわけじゃないよ、邪魔するなって言ってんだ。でも、あんた単に邪魔するなって言われて納得しないだろ。だから今日もあの画廊に来たんだろ」
川野辺、一応はズボシだという顔。
男「それとも何かい?あんた、本気で絵が好きだとでも言うの?」
5人が笑う。
男「笑っちゃうよなぁ、あんた、その顔で絵が分かるとでも言うの?」
川野辺、(詐欺で絵を買わされたことを思い)鬱な表情。

17 電車(7時半頃)

そこそこ混んでおり、ふたりはドア横に向かい合って立っていて、
かおるは窓から外を見ている。
その顔を見ている雄司。

雄司「どうする?」
かおる「う〜ん、困ったわねぇ」
雄司「住所は貰ったでしょ」
かおる「貰ったけど、本当かしら」
服のポケットから紙を取り出す。
雄司「本当だと思うけどなぁ、そこに住んでるんだと思うけどなぁ」
かおる「アパートっぽいけど」
雄司(紙を覗きこみ)「電話番号もあるねぇ」
かおる「うん、、、、どうしたらいいんだろう」
雄司「あの人、火曜日は仕事休んで画廊に来たら、かおるに閉め出されたんだねぇ」
かおる「やだ、私が悪い?」
雄司「そうじゃないけど」
かおる「まだ根に持ってるの?出会った日のこと」
雄司「違う違う」
かおる「じゃぁ人事だと思ってる?」
雄司「それも違うよぉ。川野辺さんの仕事の動きがよく分からないから」
かおる「サンドイッチマンなんて、今でもあるんだね」
雄司「目に止まらないだけで、居るのかもしれない」
かおる「歌舞伎町なら居るのかなぁ」

18 歌舞伎町

サンドイッチマン姿の川野辺。
看板にはホストクラブの宣伝。
ただ、ただ立っているだけで何も声は出さない。


19 電車

雄司「そんなに時給良さそうにも思えないよね」
かおる「だよねぇ」
雄司「裕福そうではないよなぁ」
かおる「う〜ん、困った、、、」
雄司「そうか!分かった!」
かおる「何よ、大きな声出さないでよ」
雄司「川野辺さん、絵を持って帰るところを、その社長集団に見せたいんだ」
かおる「雄司、、、それ今気がついたの?」
雄司「え?分かってたの?」
かおる「当たり前でしょ、マクドナルドで途中で気がつくでしょ普通〜」
雄司「何よ、分かってたの。教えてよぉ〜」
かおる「与謝野雄司く〜ん、そうでちゅかぁ〜今、気がつきましたかぁ〜」
雄司「大きな声出すなよ」

====木曜======

20 画廊(昼)

客は居ない。
かおる、着替えブースでパイプ椅子に座って携帯を耳に当てている。
相手は
かおる「それで、何かいい方法なかなぁって、、、うん、、、、服装も裕福そうには見えない。、、、、、先生?、、、う〜ん、相談してみるかぁ、、、、裕子にはまだ電話してない、、、、うん、智子から話てくれても大丈夫。うん、、、、うん、じゃぁ、またかける。うん、ありがとう」
携帯を切って、ためいきをつく。
画廊の中を気にする。
入江先生が立っている。
「あ、先生!、また来てくださってたんですか」
入江「うん」
かおる「ありがとうございます、二度も」
入江「うん、今日はポカポカと暖かいだろ」
かおる「はい、おかげさまで、とりあえず雨にはやられてません」
入江「暖かいなぁと思ったら、君の絵をまた見たくなった」
かおる「書いてる最中も見てくださってるのに」
入江「うん」
かおる「先生のアドバイス無しでは完成しなかった絵ばかりですから」
入江「いやぁ、私は口を出すだけだから、書いたのは全部、君だよ」
かおる「ちょうど良かった。今誰も居なくて、それで友達に電話しちゃおうかなって」
入江「困り事?」
かおる「いえ、何でもないんです。友達の愚痴が始まっちゃって」
入江「そう」
かおる、何かとりあえず話そうとして、
かおる「先生、私の絵、本当に、これで、こんなこと自分で言うのおかしいけど、私の絵、いいんでしょうか?」
入江「いい」
かおる「、、、、」
入江「君の絵はいい」
かおる「ありがとうございます。なんか、褒め言葉せっついちゃった」
入江「何か相談があったら来なさい」
かおる「はい、ありがとうございます、その時は伺います」
入江「あいつらじゃぁ頼りにならん」
かおる「あは」
入江「まぁ私も頼りになるわけじゃないが」
かおる「、、、、あの、先生、実は、(話の切り口を変えたように)、先生、只野さんってご存知ですか?」


21 川野辺が住む木造アパート(昼の2時頃)

それなりに、コンクリートでできており、ひどく悪いわけではない。
5階建ての建物の内側にある階段から上がる2F 203号。
川野辺、パジャマ姿で、低いテーブルの前に座布団で座り、テレビを見ながらコンビニで買ったコロッケ弁当を食べている。カップみそ汁も。
笑うでもなく食べている。テレビに集中はしていない。
ちらりと押し入れに目をやる。
弁当を食い終わり、台所に行き、プラスティックの弁当箱から緑のラタンを出し、ケース側を水道で洗う。箸も洗う。カップみそ汁ケースも洗う。
同じメーカーで色違いのゴミ箱が2個並んでおり、
プラスティック・ケースをゴミ箱に捨て、箸は別のゴミ箱に捨て、ラタンは迷ったあげく、ケースと同じゴミ箱に入れる。
元のテレビ部屋に戻ってきつつ、押し入れを一度見る。
テレビを見る。
一度、座る。
テレビに集中しようとするが、あぁ、と言って立ち上がって押し入れを空け、ゾンザイに縦長のダンボールを取り出す。
2つの丸に紐がかかっており、面倒そうに外し、中から額縁を出す。
額縁は紙シートにくるめてあり、その紙は多少丁寧に剥がして絵を取り出す。
絵を空けたままの押し入れの片側に立てかけ、椅子に座り、ながめる。
顔を右にかたむけてみる。
少しして、つぶやく。
「絵の善し悪しなんか分かるかよ。好きか嫌いかなんだよ。嫌いか好きかなんだよ」

22 マンション(夜)

雄司「先生はなんて?」
かおる「たぶん、最終日にまた来るんじゃないかって」
雄司「川野辺さんが?」
かおる「そう」
雄司「それでどうしたらいいって?」

画廊に展示してあるいくつかの、かおるの絵が写り、値段が写りながら、

(入江の声で)「お客さんが欲しいと言うものは売らなければいけない、値段を書いて見せた以上、売らないといけない。しかし、絵が決まっていないのなら売りようがない。選べと言われたら、君がそのお客さんにプレゼントしたいと思える絵を選んで差し上げなさい。もう撮影はしてあるんだろ?」

入江絵画教室の一角で、かおるが自分の作品を一枚ずつデジタルカメラで撮影している。

(入江の声で)「できれば、杉坂運送に手配して送るべきだが、そこはもう一度相談するとして、値段を書いて見せた以上、お客さんが欲しいと言うものは売らないといけない」

雄司「そう、、、プレゼントか、、」
かおる「まぁ、少しは話したわけだし、プレゼントの気持ちで選ぶというのは、少し肩の荷は降りたけど」
雄司「うん」
かおる「私、まだ納得いかないっていうか、本当に絵を買いたいのかしらって」
雄司「あの人がかおるの絵を欲しいという心に嘘は無いと思うけど」
かおる「けど?」
雄司「財政問題が」
かおる「他人のことだけど」
雄司「心配」
かおる「そう」
雄司「海外に娘さんが居るって言ってたよね」
かおる「あ、そういえば、そんなようなこと言ってた」
雄司「じゃぁ、その娘さんが何かしらのお金を送ってきてるとか」
かおる「それで、あのアパート?」
雄司「老後のために貯金してはおきたいんじゃない?」
かおる「それでサンドイッチマン?」
雄司「まだ仕事はできる年齢でしょ」
かおる「つじつま合ってるのか、合ってないのか分かんない」
雄司「先生は日曜に来るって予想だよね?」
かおる「そう、予想は予想にすぎないけど」
雄司「日曜だと本当は仕事のはずだから、来るなら何時だろう?」
かおる「一応、最終日は早めに閉めて絵を運び出さないといけないから、3時には終わるんだよ、その日も大変なんだよね」
雄司「時間、分かってるかなぁ」
かおる「なんかバタバタしてる時に来ちゃうのかなぁ」
雄司「でも少し解決したね」
かおる「そうなのかなぁ、ねぇ雄司、本当に親身になって考えてくれてる?」
雄司「してるさ」
かおる「そうかなぁ、疑ってるわけじゃないけど」
雄司「疑ってるじゃない」

携帯電話の音

かおる出る。
「あ、裕子!、、、うん、智子から聞いた?、、、そう、ありがとう、、、そうなの、、、、え?あぁ、そういうこともあるってこと、、そう、、、うん、ありがとう、智子には私から電話しておく、、、、そうか、そうだね、わかった、じゃぁ、どっちもってことで、うん、ありがとうね」
電話切る。
雄司、かおるの顔を見る。
かおる「裕子がね、それが詐欺なんじゃないかって」
雄司「え?それ?」
かおる「川野辺さん、あの人が実は詐欺なんじゃないかって」
雄司「まさかぁ」
かおる「でも、ありえなくはない」
雄司「どういうことよ、だってこっちはお金を出すわけじゃないでしょ」
かおる「ううん、お金の詐欺じゃなくって物品詐欺」
雄司「かおるの絵を一枚?」
かおる「よくは分からないけど、その流れに乗っていくと、あれよあれよという間に、私のは全部、それどころか教室関係とか、先生のとか」
雄司「だって、そんなに絵をたくさん持っててもしょうがないじゃない。将来誰かがとんでもない有名アーティストになったとしても、それまで保管して、売りさばくことって大変じゃない」
かおる「本人に売るんだって。半値くらいで。時間差を利用して、預かった絵を取り戻したいんなら半額で引き取れてって事に持ってくんだって」
雄司「それって絵を誘拐して、身代金出せって言うようなもんじゃない」
かおる「私にも分からないけど、裕子、推理小説マニアだから」
雄司「ちょっとちょっと、俺だって出版社の社員だよ、そんな話聞いたことないよ」
かおる「まぁ裕子は妄想の趣味もあるから、自分でどんどん創作していっちゃうところあるけど」
雄司「そうだよ、裕子ちゃん、そういうところありそうだよ、世の中にはさ、小説を書きたいって言う人たっくさん居るんだよ、でも現実はそうじゃない、成りたいって言って小説家になる人なんてほぼ居ない、小説家に成る人はすでに小節書いている人でね、書きたいとか言う人って、まだ書き始めてないんだから、単なる願望なんだよ」
かおる「ちょっとぉ与謝野雄司くん、話が逸れてますよ〜裕子は小説家に成りたいなんて一度も言ってないわよ」
雄司「あの人が詐欺なんて、、、、それはないよ、川野辺さんが詐欺師だなんて」
川野辺、歌舞伎町に立ち、誰にも聴こえない小さな声で寂しげにミスター・サンドマ〜ンと歌っている。


==土曜===

23 新宿(夕方)

雄司、新宿駅から歩いて歌舞伎町に向かっている。

雄司の声「金曜は何もなかった。出版社は通常、土日にはあまり仕事はない。ライターは原稿を月曜に送ってくることが多く、印刷屋も動かないからだ。それとしても月末になると土日は徹夜作業にはなるが、今週はまだ月末ではない。僕は仕事が午前中に終わったので、歌舞伎町に行ってみた」

雄司、人々の隙間を歩いて靖国通りを渡る。

声「川野辺さんが、どこで働いているのか分からなかったが、もしサンドイッチマンなら、見つけられるような気がした。本当に路上に立っているなら、見つかると思った」

靖国通りを渡り、ドンキホーテの左を奥へ入ると、若者の出で立ちが少しケバくなり、
風俗の呼び込み男達が各店の前でブラブラしている。声を出していない。

声「風営法が変わり、今では客引きは法律違反になっているので、以前ほど五月蝿くない。客引きができないからサンドイッチマンの職が健在なのだろうか。静かな歌舞伎町というもの逆に怖いような気がする。法であの手の商売の人達を締め付けると、かえって外国人が増えてくるように思う。今に、歌舞伎町は外人ばかりになってしまわないだろうか。日本人の怖い人達が警察に締め付けられると、この街は外国マフィアに乗っ取られてしまわないだろうか」

歩く人々の並に、外人が目立ってくる。
チェーンを振っている黒人、アジア人と白人のカップルが腕をからめながら何をするでもなく立っている、
そこにサンドイッチマンが立っている。

雄司「川野辺さん」
川野辺、振り向く。「あ」という顔

==小さく時間あって===

川野辺、看板をかかえて立ったまま。その後ろに2メートルほど離れて雄司が立っている。
川野辺(雄司の顔を見ずに後ろに向かって)「すまないねぇ、この仕事休憩決まってて、休めないんだ。まだ、立ち始めたばかりで、最初の休憩が6時半」
雄司「いえ、こちらこそ、すみません、仕事中に」
川野辺「仕事ったって何してるわけじゃないけど。立ってるだけな仕事ほど辛いことはないよ。忙しく働くほうが時間は早く過ぎる」
雄司「誰か見張ってるんですか?」
川野辺「立っている人を別な人間が見張ってたら給料2倍で損しちゃうじゃない、誰も見てないよ。でも、たまに通りかかって、立ってるはずの俺が立ってなかったらクビになる」
雄司「そうですか」
川野辺「意外だと思うかもしれないけど」
雄司「え?」
川野辺「意外にね、この看板でお客さん増えることあるんだって」
雄司「へぇ」
川野辺「少なくとも、ボッタクリの店じゃないだろうって思うらしい」
雄司「あぁ」
川野辺「今日は違うけどね。いつもはね、夜前はキャバレーやピンサロ看板でサラリーマン男性ターゲット、深夜はね、逆、風俗で働き終わったお姉ちゃんが行くホストクラブの看板。今はね、そのお姉ちゃん達が客から貰った指輪だとか鞄なんかを売りさばく質屋の看板」
雄司「あぁ、それで」
川野辺のかかえているのは、バッグ、ジュエリー買い取りセンターを書いてある看板。
川野辺「お姉ちゃん達は客から貰ったプレゼント、使やしない。貰った次の日に売っちゃって、そのお金で朝までホストクラブ」
雄司「へー」
川野辺「誰から何のプレゼント貰ったか覚えておくために、同じ品物を複数の客に買ってもらうんだって。例えばバーキンスの同じ型をね、4人に買わせて、ひとつはいつでも見せられるように持っておく。残りの3個は売っちゃう。どの客からも同じバーキンス貰ってるから、間違えない」
雄司「そりゃ、凄い、凄いっていうか頭いいっていうか、、、」
川野辺「でもね、ホストに貢いじゃうから、お姉ちゃん達はお金が溜まらない」
雄司「あぁ」
川野辺「お金が回転してるように思えるけどね、実際には、キャバレーもホストクラブも、同じ経営者だったりしてね、儲かるのは社長だけよ。ホストはその地位を狙って朝まで酒飲んで、吐いて、飲んで、身体壊しちまう。そりゃ中には店を持つ奴も居る。そういう人が俺の雇い主。あ、こっち見ないで、他人のフリして」
雄司「あ、はい」
と声を出して、声を出したことを「しまった」と思いつつも、
川野辺は、もう死んだ魚のような目をしている。

金髪の青年がスーツ姿で通りすぎる。

川野辺「行ったよ」
雄司「分かりませんでしたけど」
川野辺「今、歩いたでしょ、ここ、28才くらいの青年が」
雄司「青年?金髪の?」
川野辺「そう、彼が、俺の雇い主」
雄司「え?あんなに若い人が」
川野辺「そう、5年くらい前までは、カリスマ・ホストって呼ばれてテレビにも出てたよ」
雄司「あの人が社長、、、」
川野辺「今ではこの街に2件のホストクラブと、魚介ラーメン屋と、ホルモン焼き屋を持ってて、そのうちのホルモン焼き屋を今度は朝3時に開店するホルモン・ホストクラブに改造するんだってさ」
雄司「女性ターゲット?」
川野辺「そう、キャバ嬢ターゲット。若い女の子はホルモン・ブームなんだってね」
雄司「凄い世界だなぁ」
川野辺「凄い世界よ。で、何?わざわざ、探してくれたの?それとも偶然?」
雄司「あ、いや、偶然ではないけど」
川野辺「だろうねぇ」
雄司「妻が困ってるっていうか」
川野辺「そうかぁ」
雄司「それでどうしようか相談ってわけでもないけど」
川野辺「相談じゃなかったら、俺の職業を確かめに来たってことになるよ?」
雄司「いや、疑って来たわけじゃないけど」
川野辺「疑ってよぉ、疑ってかからないと駄目だよ、この世の中、じゃないといつ詐欺に合うか分かったもんじゃない」
雄司「詐欺、、、、、(裕子の論を思い出す)」
川野辺「とりあえず、私は嘘は言ってません、住所も電話番号も本当です。むろん職業も。ここに立ってます、ミスター・サンドイッチマン。ミスター・サンドマン〜♪知らない?昔テレビのCMで流れてた曲なんだけど、知るわけないか昭和30年代だもんなぁ、ミスター・ベースマンって曲もあったけど、あぁ、本当はミスター・サンドマンっていう曲がヒットしたんだ」
雄司「いや、、、(どれも知らない)」

川野辺「困ってるだろうから」
雄司「はい?」
川野辺「ダンナさんから、橘さんに言っておいて」
雄司「はい」
川野辺「どれを売ってくれるか決めてほしい」
雄司「はぁ」
川野辺「あなたの奥さんの絵はいい。選んでほしいんだ」
雄司「はぁ」
川野辺「絵は好き嫌いで決めていいて言ってくれた」
雄司「」
川野辺「絵が分かるとかセンスじゃなく、好きな絵がいい絵なんだって、それ聞いてね、心が軽くなったよ、30万円分くらい」
雄司「はぁ」
川野辺「嫌みじゃなくってね、奥さん、ハキハキしてるよね、でも、あのハキハキは、暖かいんだなぁ、正直、うらやましいよ、あなたが、あんな暖かくて強い奥さん、お嫁さんにしてて」
雄司「あの」
川野辺「?」
雄司「今日は仕事、夜遅くまでですか?」
川野辺「いや、今日は夜の部だけで、終電で帰るつもり」
雄司「あの、明日、画廊3時までなんです。最終日は片付けがあって」
川野辺「、、、、、そう。分かってたか、明日、画廊に行くつもりだったの。そう、そのつもりだったよ、さっきまで。でも、あなたがここまで来たってことは、奥さん、かなり俺を嫌がっってるってことだろ」
雄司「いえ、それはありません、妻は喜んでいます、でも、どれを選ぶのか困ってて」
川野辺「そう、、、、そう、嬉しいね、そんなに困ってくれて」
雄司「そんな」
川野辺「いや、すまない。悪気はないんだ。あのね、普通なら、どうでもいい客なら、そこそこの金額のを選んで売りつければいい、そうだろ?なのに、奥さんは困っている、選べない。ということは、私をどうでもいい客だと思っているわけじゃないってことだ、嬉しいねぇ」
雄司「いや、でも、その、、、」
川野辺「大丈夫よ、恋とかそういうんじゃないから、取らないよ、取れないよ、当たり前じゃない、こんなしがない男があなたに対抗できるわけないじゃない」
雄司「いや、それで、どうしようかって、結局、困ってしまっているので、僕が今日こうして川野辺さんに会いにきたのは、明日は3時で閉めるってこと、川野辺さん知らないんじゃないかと思って」
川野辺「そう。どこに立っているか分からない私を?そう、嬉しいねぇ嬉しいよ、人に探されるなんて嬉しいよぉ、ほんと、、、、(看板に力をあずけてしまいそうなほどに身体が一度グラッっと揺れる)」
雄司「あ、あぶないですよ」
雄司が川野辺の顔を見ると、川野辺は泣いている。
「嬉しいねぇ」


==日曜===

24 画廊(夕方)

智子と裕子と雄司が片付けをしている。
が、絵はすでに一枚も無い。
雄司の声「川野辺さんは来なかった。智子ちゃんと裕子ちゃんも手伝いに来てくれて、なんとなく4時頃まで、誰も何も言わないけど待ってしまって、それでも川野辺さんは来なくて、約束の時間に運送屋が来て、全部、運び出した」
外から杉坂運送の運転手が画廊の入り口から顔を出し、
「以上ですね、かしこまりました。まいどです」
雄司「あ、よろしくお願いします」
かおる、片付ける動作が遅く、少しボーッとした感じ。
裕子「良かったじゃない。何事もなくって」
智子「ちょ、ちょっと(気を使って黙ってるのに)」
裕子「だって、かおるジメーッとしちゃってさ」
かおる、今、裕子が何かを喋っているのに気がつく。
裕子「手伝いですよ、手伝いに来てるのよ、本人が一番サボっててどうするの」
かおる「あ、ごめん」
少し急ぐ感じが出るが、何をしているのか自分の認識が薄い。
裕子「まぁ、もう絵も片付いたし、簡単な掃除だけだけど」
智子「いい加減に、、、、(しなさいよ)」
裕子「いいんだよ、気を使って黙ってるより、スパッと喋っちゃったほうが」
智子「そうかもしれないけど」
雄司「そうだよね、川野辺さん来なかったね、来なくて、、、なんか、肩すかしみたいになっちゃったけど」
かおる、まだ気はそぞろ。
雄司「飲むでしょ?ふたりも」
裕子「そうよぉ〜かおる、おごってくんなきゃだわ」
かおる「もちろん」
智子「でも、いいの?本当に」
裕子「いのって、何もしようがないじゃないの、来ないんじゃ。えへへ、本当は少し期待してたんだけど」
雄司「僕も期待はしてたけど」
裕子「あれ?雄司さんは何を期待してたの?あ、売れること?」
雄司「いや、、、、あ、まぁ、、、待っちゃったよね」
裕子「まぁ、酒のつまみに、もう一回、ちゃんと話してよ、かおる、そのほうがスッキリするって」
かおる「そうね、な〜んか、肩すかしだったけど、一応、絵も何枚か売れたし、パーッっといきますか〜」
智子、かおるが少し元気になったので、ホッとしている。
雄司「そうだよ、飲もう。智子ちゃんも今日はドンドン飲んでって」
裕子「あらぁ〜、智子だけなの〜ちょっとちょっと〜」
雄司「何言ってるの、もちろん、裕子ちゃんも」
かおる「だね〜、行きますか〜」

智子、最後の簡単な掃除をしている。
かおる、二階の事務所に顔を出す。
裕子、花をまとめている。
雄司、何もしてないが、なんとなく、掃除っぽい動き。


25 画廊 外から

4人が出てくる。
かおる、最後に出てくる。
雄司「鍵は?」
かおる「2階に、オーナーが来てるの今日は」
雄司「そっか」
歩き始める4人。

最後に付いていく、かおる、ふと左の公園に目をやる。
男が数人、集まっている。
ベンチに座っているのは、、、、
「川野辺さん!」
雄司、振り向く。
智子と裕子も振り向く。
雄司、少し戻って公園に目をやる。
男達は、気がついていない。
かおるの顔。
椅子に座っている川野辺が、ウツロな顔をしている。

26 公園の隅

タクシーに雄司が乗り、川野辺を真ん中に。
かおる、智子と裕子に「ごめんね」
裕子「私も付いていきた〜い」
智子「ちょっと、遠慮しなさいよ」
かおる、タクシーに乗り込み「ごめん、次、埋め合わせするから」
智子「うん、また次に」
裕子黙っているが、事の結末を知りたい。
タクシー動き出す。
かおる、公園で濡らしたハンカチを川野辺の左頬に当てる。
運転手「病院ですか?」
雄司「いえ、笹塚お願いします。病人じゃないです」
運転手「大丈夫?」
雄司「大丈夫です。酔っぱらいじゃないです」
運転手「そっちの心配じゃないけど(事件じゃないの?)」
雄司「ちょっと熱があるんで、アパートに」
かおる、熱があるフリとして、川野辺に当てたハンカチをおでこに当てる。
運転手「そう、、、」
雄司、川野辺に「笹塚に近づいたら、道案内お願いします」
川野辺「すまないね、それはできるよ」
かおる「何されたの?」
雄司「後でいいじゃない」
運転手、バックミラーで気にする。
雄司「笹塚なら、30分で行きますよね?」
運転手「混んでなきゃね」
かおる「あの〜、最近の運転手さんは、(言葉使い)もっと丁寧な人が多いけどぉ」
運転手、黙る。
かおる「タクシー業界って、昔ほどじゃなく生き残り競争が激しいから、乗車拒否もなくなったし、他ではお菓子やおしぼり出すくらいの会社もあるって」
雄司(小さな声でかおるに)「いいよぉ(辞めておこうよ)」
かおる、不満な顔。

27 笹塚、川野辺のアパート前

タクシー着て、
かおるが降りて、少し川野辺に手を添える。
雄司「じゃぁ、これ、5000円、おつりはいいです」
運転手(ややふてくされた言い方で)「ありがとうございます」
かおる、ちょっと何か言いたげ。
川野辺「すまないね」
かおる、我慢する。
雄司が降りてタクシーが去る。

28 アパート

川野辺の左右に雄司とかおるが手を添えて階段を昇ろうとするが、狭いので、雄司だけとなり、かおるが後から付いてくる。
2Fに上って、川野辺「ここです」鍵を探しながら、
川野辺「ちょっと恥ずかしいんだけど、、」
雄司「そんなことないですよ、家だって似たようなもんですよ」
かおる「似てはいないけどぉ」
雄司「とにかく、入りましょう。少し横になったほうがいいんじゃないかな」
川野辺「本当なら、もう充分だけど」
かおる「駄目よぉ、まだ話は聞いてないんだから」
川野辺、うん、という顔で鍵を空ける。

29 アパート中

元々、布団が敷いてあるのが、すぐに見える部屋。
布団の横にはコタツがある。
川野辺、部屋のキッチンなどに手をやりながら入っていき、
「あの、狭いですけど、どうぞ、すみません」
雄司「じゃぁ、失礼します」
かおる「おっじゃましま〜す」
川野辺、やや顔を痛そうにしつつ、座布団に向かって歩く。
雄司「あ、座布団ですね、僕やりますから」
川野辺「あ、夏なのにコタツ、片付けるの面倒でね、掃除はしてるよ、ちゃんと時々」
川野辺、敷いてあった布団をたたもうかどうするか迷うが
「もう見られちゃったから、今さらか」
雄司「あ、横になったほうがいいですよ」
川野辺「いや、倒れ込むほどではないんだけどね、他に敷くものないから、じゃぁ、これで失礼しちゃうけど」
かおる、少し迷うが、話は長くなるはずだからと布団に座る。
雄司は立ったまま。
川野辺「なんかね、1.2発殴られただけなんだけど、身体は大丈夫なはずなんだけど、この歳でね、人に殴られるなんて、思ってないから、腰が抜けちゃったような感じで、、」
雄司「そりゃそうですよ、明後日とか痛いですよ」
と、言った直後に、言わなきゃよかったという顔。
川野辺「あの、冷蔵庫にウーロン茶、あるはずなんだけど」
雄司「大丈夫です。あ、でもキッチン借ります」
雄司、キッチンに行ってハンカチを濡らしなおす。
かおる「のどより耳が乾いてるぅ〜」
川野辺「耳、あそうか。まぁ、前に言ってある、奴ら、奴らにちょっとこづかれただけ。そんなに話すこともないんだけど」
雄司「財布とか、取られてないですか?」
かおる「お金持ちなんでしょ?」
川野辺「それがね」
雄司、濡れハンカチを持ってきて川野辺に渡し「取られたの?」
川野辺、ハンカチの礼で顔を少し下げ「いや、大丈夫。取られてない。あなた方が来てくれたからかもしれないけど」
かおる「やっぱり、あれ嘘なんじゃないかなぁ〜」
雄司、コタツに足を入れるが、暖かいわけではない「嘘って?」
かおる「社長とか取締役とかっていうの」
川野辺「私は嘘を言ったわけじゃない。本当に奴らはそう言った。奴らの言ったことを、貴方達に言った」
雄司「はい(信用している)」
川野辺「それがね、、、今日、奴らね、、、、」
かおる「なぁに?」
川野辺「臭かった」
雄司「臭い?、、、あ!」
かおる「ほうら、私の言った通り〜」
川野辺「何がってわけじゃないが、こないだよりも、側に来てね。勝手なことするな。アーティストに話しかけやがったな。絵なんか買おうとするんじゃない。とか言って、近寄ってきてね、その時、、、、、奴ら、臭かった」
かおる「特有の匂いでしょ」
川野辺「それで、あ、こいつらは風呂に入ってないと思った直後に、2.3発、いや、嘘は辞めよう、1発殴られた。1発だけ。それで貴方達が来てくれたから」
かおる「でしょ、あれね、なんて言ってたけ?メトロさんだとか、デパートさんだっけ、全部、嘘だと思うわ」
雄司「全部?」
かおる「そう。180円で地下鉄に一日中、乗ってることは出来るかもしれないし、無料のバスも走ってるけど、地下鉄駅から出てまた乗るのは無理よ」
雄司「そうかもしれない、、、」
かおる「そういう匂いで、電気屋のマッサージ椅子に座ってたら、少なくとも、詳しい説明なんかしてくれないでしょう」
川野辺「そう言われてみると、、、」
かおる「それと、もっと肝心なのがある。社長クラスの人達が、川野辺を連れていくのに公園は選ばない。それこそ、趣味だって言い張る集団なら、どこか集まる部屋を持ってて不思議ないでしょう。ひと部屋くらいキープできるでしょう」
雄司「川野辺さん、いつ来るか分からないのに部屋を借りるの?」
かおる「もし本当に社長の集団なら、一日借りるとかじゃなく、年間っていうか、すでに持ってそうじゃない、集まる部屋」
雄司「そうかぁ〜そりゃそうだ」
かおる「さっき、少し見たけど、知ってる顔あったし、全員、画廊の只野さんなんじゃないかなぁ。もちろん、全てのホームレスが只野さんなわけじゃないだろうけど、あの集団は只野集団」
川野辺「ただの、、、、」
かおる「あ、川野辺さんは、ちゃんとアパートに住んでたから、そこは証明されたから」
雄司「そうだよ、川野辺さんは、只野さんじゃないよ、アパートあったもの、ちゃんと働いてたんだし」
川野辺「アパートに住んで働いてる只野さんも居るでしょう」
雄司「そうかもしれないけど、少なくとも絵を買おうなんて言わないわけでしょ、只野さんは、、、それより、、あの、、、警察とか、、、」
川野辺「いや、そんな大それたことできませんよ。1発殴られたくらいじゃ警察に届けても何もしてくれない。書類を書いておしまいでしょう。それに、奴ら、ホームレスだったら、なおさら、何かなるわけでもない。私を殴ったこと、かおるさんが知ったから、奴らはもう銀座から居なくなるかもしれない。むしろね、なんだか、殴られたことで、私が只野さんじゃないって証明になったようにも思えて、だったらね、1発くらいいいや、殴られ得なんて言葉は無いけど」
雄司「、、、、、」
かおる、少し部屋を舐めるように見て「男の一人暮らしかぁ〜、、、この写真、娘さん?どうしてるの?」
雄司「たしか海外って」
川野辺「アメリカでね、ロサンゼルス」
雄司「はい」
川野辺「絵の勉強しているらしい」
かおる「そうだったんだー」
雄司「そうですか」
川野辺「まだ、24で、ひよっこだから、滅多に連絡もないし、日本に帰ってくることあっても、ここには寝れないからビジネスホテルに泊まる」
雄司「寝れるでしょう」
川野辺「嫌がるさぁ」
雄司「そうかなぁ」
かおる「まぁ、ちょっと分かるけど」
雄司、かおるを少し睨む。
かおる「そうなんだぁ、アメリカで絵の勉強かぁ、うらやましいなぁ」
川野辺「本当に勉強してるんだか、、」
雄司「してるでしょう。疑っちゃかわいそうでしょう」
川野辺「だって、絵って普通、フランスとかイタリアに行くんじゃないの?」
かおる「まぁ絵にもよるから。ポップなのはニューヨークとかじゃないかなぁ。他にも土地によっては傾向があるかもしれないし、そういう意味では、日本で勉強するよりは、どこの州でもいいかもしれない。ロサンゼルスがどうかは知らないけど」
川野辺「そうですか。そういうもんですか」
かおる「私は、旅行では色々行ったけど、絵の勉強を海外でしたことはないから。習ってはいるものの、この歳になって勝手に始めたとこあるの」
川野辺「そう」
かおる「そう。それで、この人と知り合って、、、」
雄司(話を遮って)「あれ?ひょっとして、これですか?例の30万の」
川野辺「あ、いや、、これ、そう、、、恥ずかしいけど、、、、」
雄司「これかぁ、、、ちょっと見ていいですか?」
川野辺「いいけど、コピーだよ」
かおる「そうよ、見ちゃったら、この人に、、、、、」
雄司、ダンボールから絵を出す。
かおる「!!!!!、、、、、、、、、、、ウォ、、、、、、」
雄司も見覚えのある絵で、
かおる「ウォーホルだ、、、、、、」


30 笹塚のコンビニ

雄司がカゴを持ち、そこにかおるが
おにぎり、コーヒー、チョコレートなどをカゴに入れていく。
菓子パンを雄司が入れる。
かおる、菓子パン?な顔。
雄司、自分が食べるんだと自分の顔を指さす。

31 コンビニを出て、歩きながら

かおる「ねぇ、雄司も知ってるでしょ」
雄司「うん、知ってる。アンディー・ウォーホルでしょ。ほら、昔、ローリングストーンズとか、ビートルズと交流があって、その時代の人で、絵は雑誌で何度か見たことある。ポップアートとかって言わなかったっけ?」
かおる「そう、あれ偽物じゃないかも」
雄司「分かるの?」
かおる「ウォーホルの絵、、、、っていうか、版画のシルクスクリーンっていう、プリントごっこみたいな印刷なんだけど」
雄司「プリントごっこ?」
かおる「そう、版画の印刷プリントだから、コピーみたいにも見えるけど、川野辺さんが買った時代には、ウォーホルの偽物販売なんて噂は聞いたことない」
雄司「そうなんだ」
かおる「あんな、、、って言っちゃ悪いけど、あんな普通の人の家にあるなんて」
雄司「価値が凄いの?30万は妥当ってこと?」
かおる「今なら、本物なら、3倍?いいえ5倍くらいになってるかも」
雄司「一枚のプリントごっこが150万、、、」
かおる「版画よ。雄司に説明としてプリントごっこみたいって言ったの。正確には分からないけど、金額じゃなくても、価値はあるわよ。日本にはそんなには無いはずだし」
雄司「へぇ〜、そんなものを川野辺さんがねぇ」

32 川野辺のアパート

雄司、小さな声で「帰りました〜」
かおる、かなり機嫌良く、部屋に入ってくる「ただいま〜」
(川野辺が寝てたら起こすんでいいという音量)
川野辺、布団から起き上がって、
雄司「あ、寝てました?」
川野辺「いや、目を瞑ってただけ、寝てない、大丈夫」
雄司、起こしちゃったかな、、、の顔をしてから、買い物した袋から、おにぎりなどを取り出して、コタツの上に並べる。
雄司「寝てていいですよ」
川野辺「顔だけだもの、痛いの。寝てるほうが痛いような気がする」
雄司、あ、そう、な顔。
かおるは、なんとなく立っていて「川野辺さん、その絵、アンディー・ウォーホル、鑑定してもらったほうがいい」
川野辺「本物なの?」
かおる、座って「私じゃ、判断つかない。鑑定してくれるツテ、探します」
川野辺「あ、そう。でも、いいですよ、鑑定ってのもお金かかるんでしょ」
かおる「お金かからない人探す、っていうか、結構な金額で買い取ってくれるかもしれない」
川野辺「そう、、、、、」
雄司「うれしそうじゃないですね」
かおる「どうして?本物だったら、結構な価値よ」
川野辺「いや、本物だったら、詐欺にあったわけじゃないってことになるよね」
雄司「そうですよ!」
川野辺「そこは良かったかもしれない。けど、私が絵を分からない人間だったことには変わりない。今、聞いても分からないし、それに、もし、本物じゃなく、やっぱりコピーだったらと思うと」
かおる「ウォーホルの版画は、偽物とかじゃなく、印刷物なんですよ。だから1枚しか無いってことじゃないけど、版画自体が印刷なんです。それほど出回ってないはずなんですよ。価値あるかもしれないんだから、鑑定してもらったほうがいい」
雄司「分からないままってのも、あれだし」
川野辺「私はね、、、この絵のおかげで15年、訳のわからない悩みを買ってしまった。私には芸術が分からない。もちろん、分からなくっても構わないんだが、分からないものに30万も支払ってしまった。詐欺だったのに」
かおる「だから、詐欺に合ってなかったってことになるじゃない」
雄司「そうですよ」
川野辺「かおるさん、私ね、この絵、どうでもいいんです。そんなに価値がある絵なのなら、かおるさんにあげます。私は要らない。その代わり、貴方の絵を売ってください。私が、この絵を手放して、貴方の絵を買う。それで、やっと、私は長年の悩みから開放されるんです」
かおる「そんな、そんなことはできませんよ、これは川野辺さんの物で、もし売れるとしても川野辺さんのお金よ」
(以下、作れるシーンは作って背景に)
川野辺「私、本当に、今、お金に困っているというよりも、この絵に困っている。長いこと困っている。もちろん裕福なわけじゃないけど、貯金はある。かおるさんの絵が欲しいんです。娘は、アメリカでたぶん元気にやってるでしょう。まぁ、危険な目に合わなきゃ、そうそうちょっかいを言うつもりはない。好きに生きていけばいい。目の青いダンナを連れてきても構わない。あっちに永住するとかもでいい。、、、娘が9才の頃、その絵を買って、妻にののしられてね、毎日ケンカするようになっちまって、、、、娘も連れて出ていくなら分かるが、娘は置いて出ていってね、少し探したら、噂を耳にした、、、、男がいたらしい。私が絵を買う前からね。原因は絵を買ってしまったことでもなく、ケンカでもなく、男と逃げるチャンスを探してたらしいんだ。妻が出ていってからは、ちゃんと働いて娘を高校にもやった。大学には行かせられなかったが、自分で稼いでアメリカに行った。気がつくと、私の元には、この、、、アンディー、、、ですか?(ウォーホルの絵)このアンディーさんの顔のプリントだけが残った。だけど、もうアンディーさんはいいです。もし、次に娘が帰ってきた時、絵のことが分かる父親で居たい。少しはお父さんも絵のこと分かるのね、って娘に思われたい。かおるさんの絵、持ってれば、娘も、そう思ってくれるんじゃないですかねぇ。(川野辺の顔)私、かおるさんの絵を眺めながら死にたいなぁ、かおるさんの絵に囲まれて死にたい。いいもんなぁ、かおるさんの絵、どれも全部いい」
かおる、雄司、黙っている。

33 ファミリーレストラン

雄司とかおるが食事をしている。ビールも1本飲んで、コップふたつに分けてあるが、あまり食が進む感じはしない。
雄司の声「その後、川野辺さんにおにぎりを勧めて、僕たちは笹塚のファミリーレストランで食事をして帰った。かおるは絵の話をしなかった」

34 与謝野マンション(朝)

雄司、かおる、
両方ともパジャマでベッドにいる。目は覚めている。
雄司「いくらで買うって言うの?」
かおる「う〜ん、、、、」
雄司「川野辺さんにすれば詐欺だと思ってた絵だと思えばラッキーな気もするし、、、、それでも本物かどうか分からないままでいいのかなぁ」
かおる「どうしよう、、、新たな悩みだよぉ」
雄司「裕子ちゃん、ウォーホル・ファンだったのかぁ」
かおる「まいったよぉ〜」
雄司「本当の価格知らずに売ってあげちゃうってのもアリはアリかもしれないけど」
かおる「それも考えたんだけど、入江先生にも人頼んじゃったの、鑑定士さん紹介してって」
雄司「まぁ結論を決めたら、断るのはしょうがないけど」
かおる「存在を知った業者さんが、裕子に近寄ってきちゃうんじゃないかなぁ」
雄司「裕子ちゃん、ミーハーなんだか、よく分からないなぁ。裕子ちゃんが儲けようとしてるってことはないの?」
かおる「それは無いみたい。マジで昔からウォーホルが好きだったみたいだから、売ることはしないと思う。あの子、口は悪いけど正直なの。知り合ったばかりで、ほら、智子の友達として最初に会った時、元グルーピーなんだって教えてくれた」
雄司「グルーピー?」
かおる「ロックバンドのおっかけ」
雄司「それって、あの、、セックスとかで歌手に近づくっていう、、」
かおる「そこまでのおっかけかどうか知らないけど、ロック好きっていうよりも、ロック・アーティスト好きって感じ。ロックのポスターを部屋の壁中に張ってたタイプ」
雄司「へぇ〜、こう言っちゃなんだけど、、、」
かおる「意外ではないでしょ?」
雄司「うん」
ふたり笑う。
かおる「さ、起きよう!」

35 電話

入江の声「あぁ、大丈夫ですよ。まだ、ちゃんとは頼んでなかったんで。それじゃ、こうしましょうか」
かおる、携帯を耳に当てて、入江の話を聞いている。

絵画教室

雄司、かおる、入江、川野辺、裕子、智子が居る。
雄司の声「それから1週間後に、絵画教室で入江先生立ち会いのもと、川野辺さんのウォーホルは裕子ちゃんに譲渡することになった。川野辺さんはかおるのどの絵を購入するかは、その後、またゆっくりということになり」
裕子「本当にありがとうございました。私、最高の気分です。ずっと昔から、ウォーホル欲しかったんです」
川野辺「そうですか、そんな人に出会うなんて思ってもみなかった。でも、本当にこの金額でいいんですか?」
裕子「私が欲しいと思ったウォーホルに、払いたいと決めた金額です。むしろ、こんなに安く譲っていただいて、こっちのほうが、、」
川野辺「いや、そうじゃなく、もちろん、私はありがたい話で、安いなんて思っちゃいないけど、この絵が本当に、、、、」
裕子「正直に言えば本物だと思いたいです。でも本物だとしたら、私、金額なんて言えません。そこまでズウズウしくはないです。分からないから、この金額でって言えるんだと思います。テレビの鑑定番組なんかにも出るつもりありません」
川野辺「そうですか」
入江「では、裕子さんは絵を確認してください。貴方は金額を確認してください」
川野辺「私は大丈夫です。ありますよ、ちゃんと」
かおる「駄目。こういうことって、キッチリしておかないと。ちゃんと数えてください」
川野辺「そ、そうですね、そうですよね、数えます」
数えはじめる。
裕子の前で、入江がダンボールから絵を取り出す。
入江の顔。無表情。
裕子、喜びの顔。
智子、あぁ、ウォーホルの絵をなんか見たことあるなぁという顔。
雄司、少しホットした感。
かおる、入江の顔を見る。
入江、無表情。
川野辺が、お金を封筒に戻し「たしかにいただきました」

36 絵画教室の廊下

智子「じゃぁ、また改めて」
裕子「駐車場の料金かさむから行くけど。かおる、ありがとうね、でも、こないだの埋め合わせの話は別よ、また飲みましょ」
かおる、うんとうなづく。
裕子「じゃ」
かおる、うんとうなづく。

智子と裕子についで、雄司と川野辺が歩きはじめる。
教室に近いドア付近に、かおると入江が居る。
かおる「先生、本当は、あれ本物かどうか、分かったんじゃないですか?」
入江「ははは」
かおる「でも、私も聞かないことにします。そのほうがモヤモヤが残りません」
入江「かおる君」
かおる「はい」
入江「絵でも、音楽でも、映画でも、価値なんてのは決められない」
かおる「(そう)思います」
入江「買いたい人が金額を決めて、売りたいほうが承知すれば交渉成立、そんなのが本当は良い」
かおる「はい」
入江「絵を売るということは商売だ。芸術なんて言っても商売です」
かおる「、、、」
入江「作品の価値は、欲しい人が決めればいい。持っている人が決めればいい。価値は金額じゃない」
かおる「、、、、、先生、今日はどうもありがとうございました」
入江うなづく。
かおる、雄司達に追いつく。
入江、絵画教室に残って、見守る。

37 絵画教室の外

階段を下ってきて、待っていた雄司と川野辺に合流

38 銀行の前

川野辺が、ATMで入金した様子あって。
川野辺「おまたせしました」
雄司「全部(入金したの)?」
川野辺「いや、そりゃ少しは財布に無いと」
雄司「ですよね。(間があって)どこか行きますか?」
川野辺「どこ?コーヒーとか?」
雄司「お酒でもいいけど、まだ早いか」
川野辺「今夜、夜勤なんだ」
雄司「コーヒーにしましょう。(振りかえって、少し後ろを歩くかおるに)かおるコーヒー」
かおる「うん!」

39 少し歩いた後の道路

川野辺「かおるさん、次の個展いつです?」
かおる「そんなぁ、こないだやったばかりよぉ、まだまだ先よ〜」
川野辺「そりゃそうですよねぇ。絵をね、見たいですよ、かおるさんの絵」
雄司「もし、よければ、今度、家にいらっしゃいませんか?」
川野辺「そんな、、、そんな大それたこと、、」
かおる「そんな大それたことぉ」
川野辺「え?」
かおる「川野辺さんの口癖だよね、そんな大それたことぉ〜」
川野辺「あ、そう、そんなこと言う私」
雄司「まぁ、、、いいますけど」
かおる「たいそうな家じゃないけど、川野辺さん、我が家に来てくれれば歓迎しますよ」
雄司、うん、という顔
川野辺「本当ですかぁ、嬉しいなぁ、けど、私、そんな大それたこと」
雄司「あ、また言った、そんな大それたことぉ」
笑う3人。

かおる「川野辺さん、あれ、歌ってみて」
川野辺「あれ?あぁ、ミスター・サンドマ〜ン、ドンミアペ〜」
かおる「砂男」
雄司「何それ、妖怪かなんか?」
かおる「妖精なんだって」
川野辺「妖精、、、」
雄司「調べたの?」
かおる「検索して歌詞を見つけて、次は歌詞を検索したら出て来た。女性は夢のような恋がしたいわけ。砂をかけると目をつむっちゃうでしょ?眠りに誘ってくれる、つまり、夢の世界にいざなってくれる砂男さん、私を夢の世界に連れてって〜素敵な男性と出会わせてって意味だと思う」
雄司「なるほど。恋のキューピットみたいな妖精ってことか」
川野辺「砂男かぁ。サンドイッチマンの歌じゃなかったのかぁ」
かおる「まぁ川野辺さんは、裕子とウォーホルを出会わせた砂男さんってことかな」
川野辺「それほどじゃないけど、、、そう言うなら、与謝野さんだって僕とかおるさんの絵を引き合わせ絵くれた砂男ですよ」
雄司「え?僕も砂男なの?」
かおる「只野さんよりは、いいんじゃない」
川野辺「そうですよ、只野さんより数倍いい」
雄司「そうだけど、、、、砂男なの?」
川野辺「あ、それは砂男差別だなぁ」
雄司「そういう意味じゃないけど、、」
川野辺「いいじゃないですかぁ、ミスター・サンドマ〜ン♪」
かおる少し先を歩いていて、
「さぁ、コーヒー、コーヒー、そこの砂男達、コーヒー飲みに行くよ〜」
男達、一瞬早歩きで、かおるに追いつき、
3人、歩いていく。

ミュージック、ミスター・サンドマン(ザ・コーデッツ)


 

「楽しみ」と「上達」論。


●楽しいから練習するんです。
●上達すると楽しさが増すから練習するんです。

 これがね、
「楽しい」が、1mmでも「上達」より低くなったら駄目。
という論です。

 よくツイッターやMIXIやブログで、
「練習しなきゃ」って
書く人は居ます。
まぁ、精神的には、意味は分かります。
「自分に発破をかける」決心度というか
ガンバルゾ!ってことなんでしょうけども、
本来の言葉(だけ)の意味をワザと捉えれば、

練習なんて、したくなきゃ、しなきゃいいんです。
楽しくないなら楽器なんてやらなくていいんです。

「楽しい」から、やるんですよ。
上達すると嬉しいから、やるんですよ。

これが、
常に
「上達」が第一目的なのではなく、
「楽しみ」が第一目的で、その要素の中に上達も含まれるのだ、
ということです。


絶対に、1mmでも高く、
「楽しい」アリキでありたいと。


その点、
ウクレレという楽器は、
とても身近で、簡単で、安くて、気楽で、
「エンジョイ」という事に、最も近い楽器だと思います。

持っているだけで嬉しい、
ちょっと弾けることが嬉しい、
何かの曲にトライすることが楽しい。

ここは、勉強として楽器をマスターしようする動きとは
ま逆なんです。
音楽大学で学ぶべきことでもないし、
家に50万するピアノを買う必要も場所も要らない。
子供の頃から絶対音感なんて必要ないし、
モーツアルトだの、ブラームスだのじゃないし、
譜面読めなくてもいいし、

60才過ぎてからでも始められる楽器でもあります。

ゆえに、
「楽しい」
これが、何よりも大切で、
楽しくない練習なんて、しなくていい、と
我が輩は思いますよ。
辛い練習、必死に覚える、人に追いつく、、、、
そんな必要は、まったくない。

まぁ、こうしたことも、
「ある程度の腕があるから言えるんだ」
と、思われるかもしれません。
しかし、
ある程度の腕があるから、言えるんですよw
先に歩いてみた人間(我が輩)が、
後ろを歩いてくる人(あなたとか)に、
「この道は大丈夫だよ!」
って言えるんですよ。

だぐぁしかし、
一個だけ間違えないでくださいね。
「上達するな」とは言ってません。

「楽しみ」と「上達」は両立できるんです。


これに気がつけば、
何するんでも、ウクレレに触ってる時間は
どんな状態であれ、楽しいんです。

「上達」は急いでも無駄

誰でも楽器を始めたら、上達はしたいでしょう。
でも、急いでは、何のためにもなりません。

上達のポイントが100個あるとして、
それを100日で攻略できるわけがありません。
サボる日も必要、思い出す日も必要、そして
最も大切なのは、「くり返す」ことです。

例えば、
今日、G#の押さえ方を覚えた。
では、明日はFm7で、明後日が、、、、
などと覚えていっては、1週間後に
G#を忘れて、また覚え直すことになります。
(論ですよ)
実際には、コードは3個くらいを
2ヶ月で把握していくくらいで良く、
それよりも遅くても全然かまわないと思います。

これは、テクニックだと如実です。
例えば、1個のテクニックは、
3日でマスターするとかそういう物ではなく、
何年もかかって、少しずつ上達していくもの。
ハンマリングでもプリングでもトリプレットでも。
今月よりは、来月のほうが少し上達している、
そういう長いスパンで昇っていくものです。
「このテクニック、今日、教わったんだけどできないんですけど、、、」
当たり前です。
今日知ったことが今日できるんだったら、
世の中には、初心者なんて存在しません。
音楽教室も学校も必要なくなります。

で、コードってのは覚えるものでもない。
我が輩は、ウクレレ・コード20個くらいしか覚えていません。
でも、全てのコツを知ってます。
ギター歴40年の間に、
自分で見つけた方式を
ウクレレに置き換えているにすぎません。


そして、「上達」には、
階段があって、
2階に昇ってない人が、3階を見る必要はありません。

何でもどん欲に知りたがれば良いってわけでは
ありません。
「どん欲」であることは、かまわないけども、
時間と、その経過タイミングというのがあります。

くり返して、戻って、くり返して、忘れて、思い出して、
いつしか、去年よりも、今年は、
今年よりも来年、上達していることが大切です。

今、自分が居る場所が、人と違ってもどうってことありません。
人のスピードが速く見えても、どうってことありません。
自分の好きな音楽を、
自分のスピードで
歩くことが大切です。

そして、
「人から聞いたこと」は
実は簡単には身に付かず、
「自分で見つけたこと」は、
忘れません。

==========
我が輩は、教本に
「自分で見つける方法の具体例」
を書いています。


2000円ウクレレでもギアペグ付ければチューニングできる

「私は楽器が何もできない」
という人が、ウクレレを持つ、
これが増えています。

まぁ、若い女の子達には
「けいおん!!」を見て、
バンドを始める子が増えているんですけど。

「私は楽器が何もできない」人が
ウクレレを始めてみようと手にし、
Cコードを一回鳴らしたら
それは一種、「永遠に」
「私はウクレレが弾ける人」になります。
これは、途中挫折して、辞めちゃっても
弾けた人なのであります。

はじめたら、終わらせんのやて(岐阜弁)

もちろん、楽曲1曲弾けることが
本当は弾けるってことなんだけども。

まぁ、挫折するってのは、つまんないことですね。

我が輩は、
一時期、ボウリングに凝ってまして、
マイ・シューズ、マイ手袋なんぞを持参しておりましたが、
そういうのもノリってやつで、
一緒にボウリングに行ってた友人達が
誰かが田舎に帰った、とか、ふとしたキッカケで途絶えるのですが、
これは、挫折でも何でもない。
いつでも、ボウリングは出来ます。

まぁ、体力とかの面で、
いわゆるスポーツというものは、
草野球レベルでも、もうやりたくありませんが、
でも、野球ができない人に落ちたわけではありません。

これが、楽器となると、
「続けなくなっちゃった人」になっちゃうわけです。

でも、ウクレレの挫折者は、
「チューニングできない」
という原因で、辞めています。
悲しいねぇ、、、弾く行為じゃない原因だもの。。。

だから、
本筋としては、2000円のウクレレなんて駄目商品です。
でも、
2000円のウクレレに4000円のギア・ペグ付ければ
チューニングできるウクレレに成るです。
まぁ、この時点で、そのウクレレは6000円の価値なんだけどね。

でまぁ、正直、2000円のウクレレでも
ウクレレ経験豊富なら、そこそこ鳴らすことは可能です。

だから、
本来は、初心者こそ、6000円以上のウクレレでスタートするべきなんですけどね。

まぁ、辞めちゃう人の最初の「やってみよう!」という決心は何だったの?
と思うこともありますが、

「チューニング合わない!どうして!」
って、ちょっと検索するか
弾ける人に聞けば、答は出るのに、、、と。
だいたい、2000円で楽器はじめて、それでそのまま10年
その2000円の楽器でやっていけるわけがない。
上達すれば、それでは満足しなくなるんだから。

その意味でも、
2000円ウクレレを販売する楽器店に文句はありませんが、

「2000円ウクレレでもギアペグ付ければチューニングできるぞ」
キャンペーン的な面は、
打ち出しておくべきだと。


つまりは、最初に
「ウクレレはじめるぞ!」
って思った決意が強いんなら、せめて1万以上のウクレレを買うべし。
もしくは、
玩具っぽいペグのでもいいから、ギアペグのウクレレ買うべし。

で、あります。

  


新教室のお知らせ(波が来たら乗れ!)

っつ〜わけで、(どんなわけだw)

京王線もJRも止まるぜ、っていう
神奈川県相模原市緑区の橋本(っつてもほとんど東京だぜ)
まぁ、町田(っつてもほとんど神奈川だぜ)の近くですが、
っつー駅から歩いて5分の
a After Beat(あ!アフタービート)
http://aafterbeat.nobody.jp/
という店でもエレキ・ギター/アコースティック・ギター/ウクレレ
の講師をやることになりました。

まぁ、調布教室ってのも継続はしていきますけれども、
http://www.geocities.co.jp/MusicStar/2692/guitarschool.html

a After Beatの店長(まぁ元々知り合いなんだけど)が、
一か八かで、「やってくれませんか」とお願いをしてきて、
「いいよ」と応えると、
「なんで、やってくれるんですかぁーー!従業員一同、絶対に無理だと思ってましたよー」
という反応でしたが、
川の流れなんつーのはねぇ、乗っときゃいいんですよ。

波が来たら乗れ!

それがサーフィン、、、、じゃなく、リズムってやつですな。
まぁ、
一か八かで聞いてくるっていうノリ、これが好きなんですよw

ってなわけで、店長に、
「けいおん!の音楽を全曲弾けるようにしてやるぜい」と
言うたら、「けいおん!の音楽って何十曲もありますよ?」と
言う。。。。そうなのか、、、、w
まぁいいや、CD1枚買って丸々コピーしておきゃよかろう、

書いたら、後で後悔するかな、、、、どうかな、、、、。


まぁ「けいおん!」は、本気のシャレでして、
それだけを教えるわけではないけれども、
正直、若い人の音楽が、ほとんど分からんのでw
この機会に、少しはロミオメロンだの、アジアン馬場ゾノ・カンフージェネレーターだの、POISON GIRLS BANDだの、レイ・ハナカミだの、、、、(以下略


もちろん、大人なロックもフォームもフィンガーも、何でもやりますけども。

で、それが本日、決定したんだけれども、
で、橋本でお酒など飲み、帰宅して
HPを見ると、講師の名前に我が輩の名前が書いてあり、
すでに受講生第一号さんが、連絡してきたらしく、
明日から、スタートですw
いいねぇ〜、川の流れのようにですよぉ。
乗っとけ!乗っとけ!


はじめな、終わらせんのやて(岐阜弁)

ウクレレのコードフォームをTAB数字で呼ぶ順番

 文章(や口頭)で、人にコード・フォームを伝える時の話。

我が輩は、
4弦→3弦→2弦→1弦の順で、

Cコードは「0003」と書きます。
Fコードは「2010」と書きます。

全ての教則本で統一しています。
残念ながら、今、日本のウクレレ界では、
逆向きに呼ぶ人も居て、混乱状態です。

何故、我が輩が4弦から呼ぶことに拘るかというと、

1)右手は4弦から先に当たって行くから

(右手)上から下に向かうダウン・ストローク
に対して、
(左手)1弦から押さえていく感覚は、
 「間に合わない」リズム感を悪くします。
 「思考の向きが逆向き」となり混乱材料になります。

(右手)上から下に向うダウン・ストローク
に対して、
(左手)4弦側から押さえたほうが
 「間に合う」アルペジオでも同等です。
 「思考向きが上→下」逆向きじゃないから考えやすいです。

*アップ・ピッキングから入る事の多い、シンコペーション・リズムを
 練習するにあたっては、もう、それなりに腕を持っており、
 順番がどうのじゃなくなっていくから、そこに到達したらお好きにどうぞってはなしだけども、
 「誰だって、最初は初心者」だからね。


==========さらに、

2)音の数え方は低音から数えるから

コード(和音)とは音の積み重ねです。
ウクレレ(ハイGチューニング)では、それほど意識しない面もありますが、
音楽の音の積み重ね方、および、
コード音の数え方は、基本、低音から数えていきます。
音階は「ドレミファソラシド」と数えます。
Cコードは「ドミソ」と数えます。
それを理論で言うと、「1度、3度、5度」という音の積み重ねで考えます。
「Cコードってソドミだよね」と高音から数える人は居ません。

1度がルート音と呼ばれる基音で、
そこにみたらし団子のように、音を積み重ねていくことでコードになり、
他楽器でも同様な音楽的統一があります。


2つも意味があるのです。

「俺はローGチューニングなんかやらないから関係ないや」
なんていってても、
本当の音楽的観点から行けば、ハイGでも、その一番低い音は大切であり、
一番低い音こそが「コード・ネーム表記の大文字」です。


=====================

=====================
例えば、
教室の初心者生徒さんに、コード・フォームのダイアグラム図を見せて
3つほどのコードをまずは丸暗記させる。
その際に、生徒さんが、1弦から左手を押さえていく手順に慣れてしまうと

「右手がすでに4弦に当たっているのに、左手はまだ1.2弦を押さえたばかり、、、」
では、一発目の4弦音がすでに間に合わない。。。
これでは、リズムに乗って曲を弾いていくことが
うまく行かなくなります。

この手クセを一旦、持ってしまうと、後で凄く苦労することになります。

よって、まぁ「街の音楽教室に通う」ということも、
「変なクセが付いてしまわないかを先生が見ていてくれる」これだけでも
教室ってのは、実は、価値があります。
(全ての講師が素晴らしいかどうかは別の話としてw)


===========
ちなみに、教本では
弦を数える時にも、4弦から数えます。

「4.3.2弦を3本同時に押さえて、、、、」みたいに。


=====================
で、実は、まだ理由がある
=====================

これは、ギターの話ですが、

ギターだと如実に分かることとして、
低音から数える意味は、
例えばGコードだとすると、
「320003」
です。
これをGM7にするには
「320002」
これをG7にするには
「320001」

高音部での音移動が基本です。
つまり、
低音部は同じまま、どこかが音が変わっていく。
これが、もし、高音から数えるクセが付いてしまうと、
「本来押さえたままでいい弦」を、その都度、離して押さえて、、、という
悪いクセが付いてしまいます。

例えば、アルペジオってのは、
基本、低いベース音から弾き始めますので、
G7コードの場合、
6弦の3フレットをまず弾いて、
それから、000辺りを弾いて、
あ、そうか、7だから、1弦は1フレットだな、
っつーんでも「間に合う」のです。

 ちなみに、これと同じフォームになるのが
 ウクレレの4本しか弦が無い数え方で、
 C   「0003」
 CM7 「0002」
 C7 「0001」
 です。

 今、ハイGでしか弾かないとしても、
 「いずれローGチューニングも弾くかもしれない」
 という可能性を持っておくことも重要でありつつ、
 「いずれフォームは丸暗記ではなく、
  コード表無しでも見つけられるようになる」
 には、初心者の頃から、
 4弦から音を数える手法に慣れておいたほうが良いです。

「ストローク→アルペジオ→自分でフォームを見つける」
が上達の流れでもあり、
自分でフォームを見つけられるようになるには、
コード音程を低いほうから数えていくクセを持っていたほうがいいです。

=====================

だから、

4弦→3弦→2弦→1弦の順で、

Cコードは「0001」と書きます。
Fコードは「2010」と書きます。

=======追記======

長年、ギターやらウクレレ教室をやってきて、
まぁ、ようするにコードを
「早く覚える生徒」

「なかなか覚えられない生徒」
が居るんですわ。

何か違いがあるか?
と言えば、実は、
1弦から押さえていく人は、遅いんです。

これは、
「多くのコードを覚える」
ってことにも同様です。

1弦から数えるクセが付くと、
変形型コードを4本分丸暗記になる。

これが
4弦から数えると、
一部の変形である意味が分かってくる。
と、
変形具合を知ると、

全てのコード・フォームなんて覚えなくても良く

なるです。

我が輩は、ウクレレ・コードなんざぁ、
20個くらいしか暗記してねぇぜい。
でも、すぐに大抵の曲は弾ける。
これは、変形具合の認識の仕方が備わっているから。

スシローにもノン・アルコール・ドリンク登場!

ここには書いてないけども、、、
http://www.akindo-sushiro.co.jp/menu/item.php?c=gWGtD4x498263139a9d1

ひょっとして、かっぱ寿司三鷹店が置いたからか?
スシロー三鷹店だけかも??

ウクレレの余った弦は切るか、切らないか

 基本的には自由ですよ。自分の好きな方法で良い。

ただ、考え方として
「こうじゃないといけない」
なんてルールは無いです。

自分が思う方法で良い。
僕は、こう思う。ってだけ、全ての文章は。

(で、今回の話は、ウクレレのみの話です。ギターでは切ります)

まず、先に、
弦を張り終えたら、短く切るとしましょう。
Photo

1)何かの時にツンツン痛い

と、思うんですよ。
だったら、ツンツン中途半端に出ているより、クルリンパ(byダチョウ倶楽部)
と、丸くしておいたほうが、根元が緩い分、
指で触れても痛くないんです。

2)もしもの時に、もう一度張り直すことが難しくなる

常に弦を新品に交換する、二度と同じ弦は使わない、って人はいいんですけど、
実は、そういう意思を押し通せない場合を想定しておきたい。
ステージ上でライヴ中とか、
その前のサウンド・チェック時とか、
今夜ライヴとか、
言ってみれば、「1ヶ月は安定しない」んだから、ライヴの1ヶ月前からであっても、

何かの要因で、弦を張り直す際、
新品にするよりも、継続したほうが良い場合はあります。
その張り直す際、伸びまくった弦(が何周かした分あって)を直すなら可能ですが、
まだ、伸びてない弦を張り直す際、あまりにも残った部分が短いと、張り直しできません。
つまり、
張ったその当日に、張り直さざるをえなかった場合なんて、
「弦張った」→「余った弦切った」→「すぐ緩んできちゃうから張り直し」→ → → →
その弦、張り直すの、相当苦労するか、諦めるしかないですよ。。。。

「それでも切る」って人でも、
3日は様子見てから切ったほうがいいということです。


さらに!

弦にトラブルがある場合、往々にしてブリッジ側の結び方の失敗だったりします。
その結び目を、結び直すには、
ある程度の長さが残っていないと、やりにくいんです。
結び目を作れても、その反対側がペグに届かなかったりする。

予期せぬ事ってのは、突然起こるものです。
ライヴ直前の楽屋で最後のチューニングしている時などにバチン!と弦が外れた!
(そんなことは滅多にないけども)
そんな時、新品の弦に張り替えちゃったら、本番中にも弦が伸びて伸びて、、、です。

今、外れた弦の、結び目を結び直して、ピンピンにひっぱって弦を張り直すしかないのです。

==========というのが、
ライヴをやる人のトラブル防止な意味であり、

実は、、、、1000円もする弦を、そう頻繁に買いたくないし、
それに、ウクレレの弦なんて、そんなに駄目にならないから、
材質的に言っても、何回も張り直したって平気なんですよ。

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